椿山課長の七日間

『椿山課長の七日間』 浅田次郎
朝日新聞で連載されていたときに、前半部分は読んでいましたが、旅に出ちゃってその後を読んでなかったので、今回まとめて読みました。
ある日突然死んでしまったデパートマンとヤクザと子どもが、自分の死に納得できず、特例措置で生き返ってやり残したことをするという、荒唐無稽な話です。この人のデビュー作だったか、『きんぴか』シリーズにすごく近い、ユーモアとおやじギャグ連発の強引な展開なんだけど、そこは浅田次郎です。泣かせのツボははずしません! 要所要所にちゃんとツボが埋め込んであり、3人それぞれ、泣かせてくれます。
舞台設定が成城、仙川、調布といった東京23区の西のはずれなのですが、実はその周辺は私が生まれ育った地であり、また、高校がそのエリアだったので、私は家族の誰よりもこの地域に深い思い出を持っており、そんなことも小説を楽しむひとつの要因になりました。話がそれますが、まだ犯人が捕まらない「成城一家4人惨殺事件」の現場も、私が高校3年間毎日ちゃりんこでかっとばしていた通学路上でございました。
★★★★☆ 星4つ
涙腺の弱い方は号泣必至

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