ラサが厳戒態勢に

先日、ダライ・ラマ14世がアメリカの議会から勲章を授与されました。ニュースでも取り上げられていましたから、ご覧になった方も多いでしょう。法王はすこし足が弱くなられたかな、と思いましたが、身体つきやお顔の色艶などはまだまだお元気、14年前に拝謁した時とあまりお変わりもなく見えて、政界引退説もあるだけに、ちょっと安心しておりました。
さて、本題。
中国領チベット自治区と、中国の各省に組み込まれた旧チベット圏において、今回の法王の授賞を喜び、多くの市民が晴れ着を着て花火を打ち上げたり寺院に参拝したりしたそうです。ラサでも、もともと法王の住まいであり信仰の対象であったポタラ宮殿や、市内の中心である(少なくともチベット人にとっては)ジョカン寺や、かつて法王も学ばれたというデプン寺(僧院)などに、多数の市民が詰め掛けて法王を讃えたということです。
ご存知のとおり、ダライ・ラマ法王は祖国を逃れてインドに亡命中であり、中国政府は法王との対話を装いながらも実際には「反革命分子」の親玉として、法王の帰国はもちろんのこと、市民が法王の写真を持ったり飾ったりすることも禁じています。だから、おそらく、法王の授賞を喜ぶことも、「反革命的」な行為、あるいは「国家に対する反逆」的行為であると、中国当局が考えるのもごく自然のことなのでしょう。
デプン寺は数千人の解放軍によって包囲されている、とニュースが伝えています。ラサ市内の各所も厳戒態勢に入っており、公安がうようよしているそうです。
(国に楯突くことが、今も「反革命的行為」と中国で呼ばれているのか、もしかするともうその言葉は死語なのかも、と思って言い換えておきました。だって、今の中国において、革命、って何だよ?)
ニュースソースはこちらです。
北京では中国共産党大会が開催中。
少なくともこの期間中は、この状態が続くのかもしれません。
死傷者と不当に拘禁される人が出ないように祈ります。もう既に出ているのでしょうが。できるだけ少なくすむように、祈ります。
ではまた