新作とか

昨日からの雨が降り止まず、終日雨の軽井沢でした。
寒い・・・。

 

新作です

 藍染めフレンチ

 更紗のタックワンピース

藍染めの方は、一昨年に染めておいた生地で作ったもの。
もう一度染め重ねようかと思いましたが、そう思ったのは縫ってからだったので、せっかく別布で襟ぐりを始末したのが無駄になる(見栄えも今一つになる)ためやめて、このまま出すことに。
どうもパキッとした紺に染まっているのが好まれるようなのですが、私はどちらかというとこういう微妙な色のほうが好きだな。たぶん合成藍だとこういう色にはならないと思ったりもします。
うーん、ただ合成藍はどんどん進化していると思うので、もういろんな色、洗ってもあまり色落ちしないとか、そうなっているのかもしれません。わからん。

上海で、アメリカから渡中してきていた布の研究者グループに偶然会って話をする機会がありました。その時に聞いた話。
インドから輸入されているいわゆるインド藍、インディゴ・ブロックを取り寄せて調べてみたら合成藍だった(!)(混じってた、だったかな)
アジア各地と日本で、この人ならば絶対に大丈夫! と誰もが信じている藍染め作家・工房の製品をこれまた調査してみたところ、いずれも合成藍が必ず使われていた(!)(比率についてはともかくとして)
結論 もはや藍染めは死んだ
だ、そうでした。
もちろん、まだ生きていると思います。アジアでも日本でも、ほんものの藍はまだあるはずです(現にウチにはあります)。でも、流通している藍染め、また原料藍の大半が既に純粋な植物藍ではないというのは厳然たる事実。純粋な植物藍はごくごくごくごく少なくなったと考えるのが妥当でしょうね。

実際私も藍染めを求めてアジア各地を経巡っているわけですが、どこを訪ねても、微妙なんですよ・・・。確かに藍は庭先に育っていたりする(見せるためにね)。藍瓶もそれらしいものがあったりする。でも・・・・・・? この?マークが消せない。
一度だけ、世界的に布フェチに有名なラオス・レンテン族の藍布を買ってきて、日本で調べてもらったことがあります。ある村のものは混ざりものでした。ある村はまだ植物藍オンリーでした。
もはや信じられるものは殆どない。いま植物藍の村も、3年先、5年先には合成藍に切り替わるのではないか、それが流れとしては自然です。
それで、それなら自分がやるしかないなと、藍染めを始めたというわけです。原料も自分が作れば100%混じりけのない、藍の茎さえ入っていない「すくも」を作ることができるわけですからね。

と、そんな話。
藍にはいろいろな御託があって、灰汁で建てたものだけが本物の藍染だという人もあります。私はそこのところは、正直そこまでこだわらないですな。灰汁で建てることもあるし、状況によって建たなければ化学薬品の力も借ります。
このあたりは有機農業なんかにも通じる話かもと思います。
与えるものが化学的であれ有機的であれ植物が吸収する時には分子レベルなのだろうから、チッ素とか、リンとか、そういうものになったものを吸収する。であるならばそれがもともと有機である、化学である、ということにどんな意味があるのか私にはわかりません。土に対してよい悪いということならなんとなくわかる。有機物を投入するほうが土はふかふかのよい土になっていく気はする。

今週も梅雨空が続き、気温なんかもう、週の半ばには12~13℃なんて予報も出ているくらいです。どうなってんの・・・。なかなか藍仕事に手がつけられません。
ではでは