原発事故・英国科学者の見解

おはようございます。
原発事故と放射能の問題について、日々様々な報道がなされ、また、各種素人のデマに近い情報も飛び交っています。私もたいへん不安です。何が確かなことなのかが、科学頭ではない私にはわかりませんから。

今朝、タイトルにありますように、今回の原発事故について英国の科学者がどのように考えているか、を取材された方からのメールが届きました。正確には、取材された方から、編集者を通じて、私のところに届きました。
大変わかりやすかったので、ここに転載します。一部(第一行)、転載するために私が書き換えました。この一行以外に書き換えた部分はありません。

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発言者は英国政府主席科学顧問(Chief Scientific Adviser)ジョン・ベディントン (Sir John Beddington)が代表をつとめ、数名の原子力発電の専門家も同席しました。

日本の現状について、彼らの状況判断は下記の通り:

● 比較的悪い場合(1個の原子炉の完全メルトダウンとそれに基づく放射性爆発の場合)、避難エリアの50キロは人の健康の安全を守るために十分な距離でしょ う。もっと最悪な状況でも(2個以上の原子炉がメルトダウンする場合)、1つの原子炉のメルトダウンのときと比べ、被害にさほど変わりはないでしょう。

● 現状の20キロ退避指示区は現状の放射能レベルにたいして適切な範囲でしょう。このまま炉心への海水注入を続くことができれば、大きな事件を防ぐことがで きるでしょう。これからさらなる地震と津波が起きた場合、海水注入ができなくなる可能があり、その場合上記のメルトダウンが起こる可能性があるでしょう。

● 基本的に、専門家は東京住人の健康への悪影響はないと予想している。健康に悪影響を起こすためには、現状の放射能の何百倍のレベルが必要。専門家はそのよ うな状況にはならないと言う。(しかも、専門家は妊婦や子供を基準にしていた。健康な大人にとってはさらに放射能のレベルが高くならないと影響はないとい う。)

●専門家は風向きは関係ないと言う。東京は現場から十分離れているので、影響はないでしょう。

●海水注入を続けることができれば、原子炉が冷え、10日間後に状態は大きく上向くでしょう。

●日本政府からの情報は複数の独立した団体によりモニタリングされつづけ、放射能のレベルに関しての情報は的確と判断されてる。

● チェルノブイリとは全く別な状況です。チェルノブイリの場合、原子炉が完全メルトダウンし、手を付けずに何週間も燃え続けた。チェルノブイリでさえ、50 キロに避難ゾーンがもしできたら、十分に人の健康を守ることはできたでしょう。チェルノブイリの場合、事件から何年も後まで現地の食料や水に含まれた放射 能は一切モニタリングされなかった。危険性についての情報を全く知らせなかったせいで、汚された食品、麦、牛乳や水などを食べ続けた現地の人々が病気に なった。事実を隠されたチェルノブイリの事件とくらべ、情報が非常に開かれた福島の事件は、その意味でも大きく異なるでしょう。

●ブリティシュスクールの学長が、休校をつづけるべきかどうかを尋ねた。専門家の答えは、余震や建物の状態などの理由でならありえるかもしれないが、放射能のために休校する必要はない。科学的に言って、子供であっても放射能汚染の恐れは 全くありません。

●ヨード剤の補充に関して、専門家はヨード剤は現場で放射能を体内に吸収した場合や汚れた食料を食べた場合だけ必要と説明した。また、ヨード剤の長期的利用は健康によくないと話した。

会見は驚くほどフランクで正確でした。

専門家の判断によれば、「原発からの放射能の恐れよりも、地震と津波の被害の方が大きな問題である」とのことでした。

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どなたかのお役に立てば。

この会見は3月15日に行われたもののようです。その後、状況は、少なくとも海水注入に関しては劇的に好転しています。ただし、海水、水道水、土壌や野菜への汚染については、数日前から出てきた現象で、今回のこの科学者たちの見解には含まれていません。これらについても、専門的第三者機関の意見を知りたいものです。落ち着いて見守りたいと思います。
ではまた