チベットの七年

一昨日の夜、民放衛星放送で、ブラッドピット主演の「セブン イヤーズ イン チベット」をやっていたので見ました。初見です。すいません・・・。別にブラピ好きじゃないし。

ご存知の方も多いでしょうが、これは実話を元に作られた映画です。原作はオーストリア人登山家のハインリヒ・ハラーという人の手によるもの。彼は第二次大戦中にドイツの登山隊に参加してナンガパルパッドに行くんだけど、失敗して全員下りて来たところでイギリスにつかまっちゃって(インドは英国領であり、英国がドイツと開戦したから、ですね)、インドのデーラードゥンにあった収容所に入れられました。そこを脱走して登山隊長のペーター・アウフシュナイターとチベットに入り、貴族ツァロン家の庇護を受けてラサに留まる許可を得、さらにはたいへん新奇なものが好きであった少年期のダライ・ラマ十四世に招かれ、家庭教師として過ごしました。これらはみんな史実。
映画は登山シーンから始まって、収容所脱走、チベットへの逃避行、ラサでの不思議な滞在、ダライ・ラマとハラーの交流、そんな中忍び寄る中共の手、あちこちで戦に負けてやがてラサも赤旗で埋め尽くされ・・・・・・。という展開、最後ハラーはラサを脱し、インド(たぶん)に出て国に帰るところで終わりました。

ヤなヤツ、ハラーをブラピが好演・・・・・・w
ハラーはチベットで暮らした日々で変化していくのだけど。このへんもハリウッド好みかな。

ンガワン・ジグメ(映画では最初、「たかが秘書官」として描かれ、後に大臣になりました。その後この人はチベット自治区の初代主席になっています)がめちゃくちゃ悪人として描かれていていささか気の毒になりました。まぁチベット仏教信奉者が多いハリウッドだからね・・・。ジグメはハンサムな役者が演じていましたね。
この人がチャムドを無血開城したことも、武器庫を爆破したことも史実なのだけど、その意図がどこにあったかは諸説あるし、単純に白黒つけられない部分もあるだろうと私は個人的に考えています。
売国奴と呼ばれることが多い人だけど、実際にあのときにチャムドで戦をしたとして、まともな戦になったでしょうか。無駄に血を流すだけだったと思われます。それを防いだという側面もある。
それから、チャムドを含む東チベットで民たちが無益に血を流し続けていた頃、ラサでは貴族たちが飲めや歌えのどんちゃん騒ぎをしていて、故にジグメからの連絡がラサに届かなかったとも言われています。
チベットは・・・・・・。
簡単には何もいえません。

どの道を進むか。
選ばなかった道は、二度と選ぶことができない。
亡命を選んだ人々は戻ることができず、残ることを選んだ人々は逃げることができない。
歴史の悲劇、であることだけは確かですね。

因みに、チベット人と結婚してチベットの地に残ったペーターさんは、その後どうなったのだろう? 少し検索してみましたが、わからなかった。
ペーターとハラーが1人の女性を取り合って池でスケートをするシーンが、とてもよかった。

この先2週間ほどは、気温の低い日が続くという予報が出ていました。今日の軽井沢は最高気温が3度を超えて、暖かかったです。屋根の雪(氷になっていますが)が落ちた部分もありました。夜になってすこし降りましたが、たいした積雪ではありません(今のところ)。ではまた

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