午後から晴れ

午前中は日が差したかと思うとまたばーっと降ったり、不安定でしたが、午後からは晴れました。
きのう植えたサツマイモがしんなりしている・・・・・・。葉がマルチに触れて死にそうになっていたので、あわてて土を盛りました。根付くといいのですが(サツマイモは初めてなので不安です)。
『半島を出よ』 村上龍
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村上龍を読むのは久しぶりです。
いや、というか、この人はほとんど読んでいないらしい(今アマゾンで見てみると)。
「限りなく透明に近いブルー」が芥川賞を取ったとき、それはそれは話題になって、まだ中学生だった私はドキドキしながら本屋に買いに行ったものでした。尿道にバラを刺しちゃうとか、何だかえげつない本だったなぁ。こういうものが芥川賞かぁ、と、まだ子どもながらに思ったものです。
その後ほとんど読まずにきて、ここ何年かの間に1冊だけ読んだのだけど、それがえらくひどい小説だったのでやっぱりダメだわ、私にはこの作家は耐えられないと思い、図書館でもちゃんと見た記憶がない。
そういう作家は何人かいて、たとえば花村萬月、町田康、ねじめ正一などなど。他にもあるけど思い出せない。
前置きが長くなりましたが、久しぶりに読んだこの本、上下にわたる長い話ですが、エログロはほとんどなくて、最後まで読めました。ずいぶん話題になった小説なので、読まれた方も多いかも。
近未来(と言っても、書かれてから数年経ったので現在の話になってましたが)、北朝鮮から反乱軍を騙る正規軍がやってきて福岡を占領、日本政府は混乱して九州を切り離して孤立させる政策をとり・・・、というような話です。ありそうと言えばありそうな。侵略占領云々はともかくとして、こういった危機に際して日本の政府や政治家や官僚はどのように動くのだろうか、この本の通りまったく無為無策で「何かしているフリ」に狂奔し、優先させるべき何ごとをも回避する、これはありそうだなぁ、と思わされました。
でも、ともかく長い。冗長です。
巻末の参考文献や取材の苦労話などを見ると、ずいぶんたくさんの事例に接したのだろうな、それぞれ龍さんの琴線に触れちゃって、出てすぐ消えるような端役にもディテールとして背景を書き込まざるをえなかったのだな、と思いました。ワルガキたちにもいちいち背景ありすぎ、かなと。理由があってこうなる、ことは現在の日本ではさして怖いことではなく、理由など何も見当たらないのにこうなる、ということこそが怖いんじゃないのかな、などと考えながら読みました。
面白かったので☆3つ半
そうそう、ダブル村上の片方、春樹さんもいきなり100万部も売ってすごいっすね。『1Q84』でしたっけ、最初「IQ84」だと思って、知能指数のあまり高くない人が何かすごい能力を持っていて・・・、って話? とか思ってしまいました。
春樹さんもあまり読んでいないなぁ、学生時代に『ノルウェイの森』を読んで、それまで出ていた何作かは読みましたが。あ、『海辺のカフカ』は読みました。春樹さんといえば「春のクマのでんぐり返り」、どこかメルヘンチックで精神を病んだ女性とぼくの物語、って感じで、嫌いではないけど特別に好きでもない、んですよね。
あ、それから。
『半島を出よ』ですが、会話文にカギカッコをつけない、という手法を使っていました。意外に違和感ないものだなぁ、と思いましたです。一人称を使わなかった開高健(一部作品で)といい、作家は時々そういうことをするのですね、おもしろかった。
明日は晴れる予報です。サツマイモが心配。ではまた