タイルー族のスカート

と、ナガ族の布をあしらったパンツ2本を先週作り、アップしました。
このアップ作業が滞り気味で(今年は作るのもゆっくりですが)、なかなかどうしてどうして・・・・・・。

タイの手織り布+ナガ布でワイドパンツ 別柄で2本

この手織り布は数年前にタイ北部の町で買ったものです。太い手紡ぎっぽい糸を織り上げたもので、とてもしっかりとしている、どっしりと言ってもいいくらいです。しかし、とは言いながらそこはタイなので、織りはどちらかというと粗めで、通気性はある。糸が太い分保温性もあると思う。
ただあまりに質感が「厚手」だったので、今まで何となくそのままにしていましたが、とうとうその気になって。
いつもの超定番のワイドパンツ、4枚仕立てなのでその分体に沿います。
飾りの布はミャンマー~インド間の山岳地帯国境に暮らすナガ族の手織りブランケットから。

タイルー族の手織り布、ギャザースカートにした

いつも布を織ってもらっている村のおばちゃんたち、いっつもTシャツに短パンみたいなカッコウで自転車乗ってキコキコ作業場になっている廃校に来てくれるんだけど、その人達、実はこの布の織り手なんですよね。
タイルー族という、中国雲南からラオス、タイと流れつつ分布していった民族の織り。
とんでもない織り模様ですよ、これだけはインド各地のそれに優るとも劣らないと思う。
作業場に行って布の注文とかする時に、おばちゃんたちが自分で織った布を持ってきて見せてくれるので、たいてい買わせてもらいます。これはその中の一つで、実はもうスカートに仕立ててあったのだけど、タイの正装用で日本人には合わないなぁと思ってて、このほどようやく仕立て直しました。
これはもうね・・・・・・。
スカートとか何とかそういう次元の話じゃなく、布だけ、布だけ見てどんだけすごいかっていう話なんだよね。
だから一切ハサミ入れずに作ってます。

タイでもラオスでも散々布を見てきて、自分でも買ってきて、それを服にしたりもしてきたけど、その中でどれが一番布としてすごいですか、好きですか、って聞かれたら、迷うこと無くこのタイルーの布を推す。
お世辞にも綺麗とも整頓されているとも言いがたいあの廃校舎の作業場で、あのお世辞にも素敵とは言えん田んぼから今出てきたっていうおばちゃんたちが、これを織っている。メコン川から魚屋がカブに乗ってやってくると全員手を止めて魚を買いに走り、しばらくお喋りして、作業に戻る、魚屋去る。そうして織られていく布。

上の方におばちゃんたちが自分で織った布、と書いたけど、多分それは違って。
この村のおばちゃんたちには、自分で糸を買って織るだけの資金力はない。だからおそらくは、注文があって糸が来て織ったけど、何らかの理由で納品できなかったものだと思う。傷物とかそういうことではなく、おそらくは、引き取りに来なかったのじゃないかと。そういうことはタイではよくあること(日本では知らない)。
織り手はどんどん減っていき、こういう布にお金を出すタイ人も少なくなっていくと思われる。この村でも、今頼んでいるおばちゃんたちのいちばん若い人が50代後半だから、技術の継承はもう難しい。

なんだろう、語っちゃったじゃないか・・・・・・。

今日は昨日染めた布を引き上げて、まったく期待せずにミョウバンと椿灰で媒染、あまり大きな変化はなく、ミョウバンは少し明るく黄色みが増したかな? くらいの茶色。椿灰は茶色。まぁ布にもよりますが、けっこう濃く出た。今まででいちばん一発で濃く色が入ったと思います。茶色だけどな・笑 ピンクを狙ったのにな。

明日も晴れ、ではまた