というわけでまた団地に戻ってきた。今日は持ってきた親指シフトキーボードをつないだり、リカバリーディスクを作ったり、本を読んだり。曇って時々雨の予報、どこにも出なかった。
向こうに戻る前に読んでいた本の記録。
『そのバケツでは水がくめない』 飛鳥井千砂
初めて読む作家。アパレルメーカーのプランナーである主人公の前に現れた一人のデザイナー、女二人で順調に関係を深めていくのだが、ある時から不穏な空気が流れ始める……、てな話だった。
いるんだよこういう女!!! いるんだよねー----。
私も思い出しちゃったけど、結婚後に年賀状を旧姓で出したところ、とある友人が「結婚したんだしもういい加減大人になろうね」って返事よこしたり! 大人になるって何やねん! 仕事している女は旧姓のままなんだよ! と腹立った。
親と同居した時も「ヤマネは楽する星の下に生まれたって旦那が言ってる」って、旦那が言ったかもしれないけどあんたも思ってるよな!! と、こちらも腹立った。
そういう無邪気を装った悪意って、女特有のものなのかな?
☆3.5 しかしタイトルがいまいち腑に落ちなかったな最後まで
因みに私は姓に関してはまったく拘りがなく、今もどっちで呼ばれようと何とも思わないので念のため。仕事上、旧姓も使ったし今もそっちが楽な時はそっち。そもそもそこにこだわること自体(結婚したら相手の姓を名乗らなければ! なぜなら新しい家庭を築くのだから! 的発想)が理解できない。
ただ1つだけ「私の姓にすればよかった」と思うのは、海外に行って名前を書かなきゃいけない時。旧姓は4文字、新しいのは9文字、めんどくさ(笑)
『タラント』角田光代
すごくいいんだけど長いかな。大学のサークル活動として海外の貧国に出会う主人公。そういう出会い方もあるんだなと。ネパールも出てきてちょっと面白かったけど、ネパールもそこまで安全な国じゃないからそこんとこだけちと気になった。そのうちにテーマはそこじゃなくて、とどんどん変わっていくところが面白かったかな。
☆4 ただ、よすぎる、というのもある意味マイナスだなと思った
同じような戦争を扱ったものの「ツリーハウス」のほうがストレートだった。自分はそっちのほうが好きだ。
『おまえなんかに会いたくない』 乾ルカ
高校時代にいじめられていた子が10年後の同窓会に復讐を企てるっつう話。面白いことは面白かったけど、どんどんふくらませたものを回収しきれなかったと思う。最後があまりにも、「え、それで終わりなの?」という感じ。
☆3 映画化とかされそうだな
『ひとり遊びぞ我はまされる』 川本三郎
川本三郎! まだ新刊を出すくらい元気なんだ!
というただそれだけで借りて読んだ。あちこち旅に出かけたりするエッセイ集。台湾も好きで何度も行っているみたいで、今度出かけるときに行ってみようかなと思う町、場所があった。この人は私にとっては「同時代を生きる気分」の人。学生時代に研究対象に関連して読んだんだけどこれはよかったな、今も持っているはずだ。
☆3.5 こんな風に老後を過ごしたい人は多いんじゃなかろうか
ではまた