記憶の不思議

3月上旬にタイからラオスへ、そして中国へ入りましたが、その時の野望(笑)は、上海まで抜けて船で日本に帰る、というとんでもないものでありました。手帳に鑑真号の出航日とチケット売り場をしっかりメモしてたりして・・・(笑)。
こうして文字にすると、我ながら、「なに考えてるんだよっ!」と思いますね。
その野望のまま突き進んでいたとしたら、私はまだ、帰国していなかったはずです。
それはまぁいいとして。
雲南省から入って貴州省を抜けて上海をめざすとなると、大雑把に言って、右ナナメ上に進んでいけばいいわけです(野望上では、その前に雲南から北上してチベットエリアを回ってそれから・・・、でしたが)。
そんなルートを地図上で辿りながら思いついたのが、王村訪問。王村と書いて、ワンツン、と読むのかなぁ。この村、ご存知の方がいたらすごいです。それほどには知られていない、少なくとも西安ほどには(笑)。
ここは1987年に公開された映画「芙蓉鎮」のロケ地。
「芙蓉鎮」は文革をテーマとする重い映画ですが、ただ暗いだけではなく、その中でも生き抜いていく人々の強さ、したたかさ、明るさ、も描かれていたと思います。そしてそれより何より、村のたたずまいの美しさが際立っていました。石畳の路地の美しさ、村の中を流れる雑多な音、中国の小さな町の雰囲気がとてもよく描かれていて、まだ学生だった私は行ってみたいなぁと強く思ったものでした。
そのロケ地が湖南省の王村だと知ったのは、93年だったか。91年にラサで友達になった台湾の人の家に遊びに行ったとき、王村に行ってきたと、写真を見せてもらったのでした。すごくいい所だからぜひ行きなさいと、たしか行き方も教えてもらったのに、その時は雲南めざしてどんどん行ってしまい、行かなかった。あのとき行っていれば・・・・・・! 今みたいに村の入り口で「入場料」を取られることもなく、テーマパークみたいになってしまっていることもなく、ああ、あのままの王村に浸れたのに・・・・・・(残念無念)
そういえば、95年だったか、ベトナムから雲南に入って広州へ抜けようとしたとき、チケットが買えなくてなぜか「張家界」(たしか後に世界遺産に・・・)へ行ったのです。その途中で列車から下りてちょっと寄り道すれば、そこに王村があったんですよね。あの時はたしか、ネパールから旅を始めていたのでかなり疲れており、途中下車する勇気が出なかったんでした。
で、今回もまた、湖南省どころか貴州省どころか、ははは、国境から100と数十キロのところで「もうダメ、帰ります」と引き返してしまったので、王村にはまたしても行けずじまい。行きたいところに、いつも行けるわけではないとわかりつつも、それにしても王村、遠いです。
で、記憶の不思議というタイトルですが。
私、この「芙蓉鎮」のヒロインを演じた人がコン・リーだと、ずっと思い込んでました。
今日、これを書くためにネットで調べたら、コン・リーじゃない・・・。リュウ・シャオチンという女優さんでした。もちろんこちらも大物ですけどね。
何でコン・リーだと思い込んでいたんだろう・・・・・・。私、コン・リーが主演した「紅いコーリャン」や「菊豆」は、リアルタイムでは観てないんですよね。だから混同したわけでもないと思うのですが。
いやー、記憶というものは、曖昧ですね。
気をつけなくちゃ(いろんな人に「芙蓉鎮、いいですよー、コン・リーがね・・・」とか語ったことがあるような気がします)。
本日の軽井沢は昼前から雨。
明日も一日雨の予報になっています。気温も低くて、寒いです。せっかく咲き出したスイセンも、休眠してしまいそうです。
ではまた