ダライ・ラマ14世、訪日されました

ダライ・ラマ14世が、乗り換えトランジットという短い滞在ではありましたが、訪日されました。記者会見では相変わらずユーモアを交えながらの場面もあり、お元気そうで何よりでした。
今日の夜7時のNHKニュースでは、かなり時間を割いてチベット問題を取り上げていました。
よいことです。
よい傾向です。
まずは知ることから。
できれば両方の立場からの発言を知る、そこから始まると思うんです。
こうして世界が注目することによって、対話への圧力を中国政府にかけられたらいいのですが。「はいそうですか」とテーブルに着くことは、国の威信という見地から難しいのでしょうけれど、勇気を出して一歩を踏み出してほしいと願います。
来月には胡 錦濤氏が来日する予定だとか。
出迎える日本の政治家に、腹の据わった人がいるならば、彼に言ってください。
我々も過去の歴史を直視して学ぶから、あなた方も目を背けずに歴史を直視してくれ、と。侵略され、蹂躙される痛みや悲しみ、絶望、そして怒りや憎しみは、あなた方が自らのこととしてよく知っているはずだ、と。同じことを他国、他民族に対してくり返さないでくれ、と。しでかしてしまった過ちは、消し去ることはできないけれど、悔い、改め、謝ることはできるんだ、と。難しいことだけれど、路線を修正していくことは不可能ではないんだ、と。もしその路線を選ぶのなら、世界がそれに協力するだろう、と。
テレビで拝見した14世はお元気そうではありましたが、72歳というご高齢です。政治的引退も間近と言われてもいます。彼を失ってしまうと、中国と対等に渡り合えるだけの人材が果たしてあるのか、不安に思います。もちろん有能な人はいくらでもいるでしょう。けれど、14世ほど求心力があり、国際的な認知度が高く、チベットの人々が全てを託してもいいと思える人を探すのは難しい。
つまり、残された時間はもうほとんどないのだと、私は思います。
ぜひこの機会に、中国政府はチベット亡命政府、つまりはダライ・ラマ14世との対話を実現させてほしい。国際世論に負けて不承不承、というポーズを使ってでもいい、何でもいいから、ぜひ。
夜、別のニュースで、おそらく夏河のラブロン寺の僧侶たちが、中国政府に先導された外国メディアに向かって実情を訴える、映像を見ました。
おそらくその映像に映っていた僧侶たちは、一人残らず無事ではすまないでしょう。まだあどけなさの残る若い僧侶もいました。
夏河あたりは、まだ寒いでしょうね。せめて食事と毛布が与えられているといいのですが。
そしてまた、チベットと同じく私の愛するネパールでは、本日、制憲議会選挙の投票日でした。たいへん重要な選挙であったわけですが、各地で投票所の襲撃やら何やらで、延期になる場所も多かったようです。
チベットの南、ヒマラヤを挟んだこの小さな国も、揺れに揺れております。
本日の軽井沢、最高気温4度、冷たい雨。
アクセス数は本日も順調に(?)たいへん多いです。
私も腹を括りました。
ではまた