『墨堤』 領家高子 など

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初めて目にした作家さんで、とりあえず借りてきたのがこれだったのですが、三部作の(2)だったらしいとわかり、ちょっとショックを受けております・・・。
それはともかくとして、非常によかった。
帯には「硬質な文体」とあるのですが、私は「硬質」とは感じなかったな、むしろ、やわらかで、しかしピンと背筋の伸びたしなやかさ、強さ、を感じました。
このところ読んだ小説の中では出色。文章がうつくしい。
どこか向田邦子を彷彿とさせられました。これは人によって感じ方がずいぶん違うかもしれませんが。
唯一、戸惑ったのは、長編小説と思って読み始めたら短編集? それぞれのつながりもないようだし・・・、と、途中まで「まったく関係のない短編のまとまり」のように読んでしまったこと。ただしこれは、三部作の二つ目ということで、読者は当然わかっているという前提があったのかもしれません。(それか私の読解力に問題があるのか・・・)
さっそく、三部作の前と後ろも読もうと思います。
夜、母親から電話で、「あんた今年はどっか行ったりしないでしょうね・・・」と。
今年って、あと半月あまりですな。はい、今年はどこも行きませんよ。でも年が明けたらタイ行きますけど。と答えると、
「だってあんた、世界中いろいろあるじゃないの、そんな時にも行くの・・・?」
一応、いつも私がうろついているインドとタイがやばい、ということは理解しているのだろうか、母は。
「んなこと言ったって、それが仕事なんだからねぇ・・・・・・」
「仕事ねぇ・・・・・・」
未だに母親にも疑われているらしい(笑)
しかし、こんなに長く自分の娘が人の道をはずれているのに、まだ心配なんですねぇ(確定申告にまた間に合わないとか、そっちが心配だったりして・笑)。
テロや天災に巻き込まれてしまったらもちろんお手上げですが、たとえばタイですべての空港が封鎖されてしまったりしても、虫のように(そうそう、♪疑わない虫、のように)じわじわと国境を越え、日本まで帰るタイプの女なのですが。
こんな女に誰がし・・・・・・・・・
自分でなりました。
本日の軽井沢、最低気温は氷点下9.5度。きましたね。
ではまた

7件のコメント

  1. 腰は、腰は大丈夫なんですかー!?
    じわじわがずるずる、になったりしないんでしょうねー!!
    もぉおおお
    氷点下、ってインパクトがすごいってことに気が付きました。
    -9.5℃より明らかに氷点下9.5度の方が痛い。八甲田山、みいたな・・・・

  2. 親は、子供がいくつになっても、子供の身を案じてしまうのは性なのですね。うちのおしゅーとめさんも、いまだに夫が仕事に行くときに「ハンカチ持ってる?」とか言ってしまって、いい加減にしてくれと怒られてます。また80歳の姉弟子さんは50歳過ぎた長男さんが独身で、「あの子が独りで部屋に死んでたりしたらと思うと心配で、とても私は死ねない」といつもおっしゃっているし。きっとあの世に行く寸前まで我が子の身を案じ続けるのが親なのでしょう。
    さっきまで子供を叱り飛ばしてイライラしていたのですが、♪疑わない虫 を検索して聞いたら何だか怒りが収まりました、ありがとうございました!

  3. りーさん、お久しぶりですー!
    ええ、そう、「空港封鎖されちゃったしー♪」とか言いながら、ずるずると、国境の川を向こうとこっち、
    往復し続けてずっと滞在する・・・・・・。
    こんな奴がいるから、タイは「陸路入国者には15日しか許可やらんけん!」と言い出したんです、きっと。
    氷点下、ね、すごいことばですよね。そんな土地に住んでる人って何て可哀想なんだろうと思ってましたよ、ずっと。
    まさに「八甲田山死の彷徨」の世界。青森大学に落ちた私に届いた電報は「八甲田山雪深し……」(笑)
    ななよしさん、そうなんでしょうねー、きっと。でもその80歳の方のお言葉を聞くと、「独りで死んでたり」するのは、
    息子さんではなく、あ、あ・・・(書けない)ですからっ! と、突っ込んでしまいそうです。
    「疑わない虫」で検索したら出るんですか? おどろき。
    そうそう、ななよしさんのご主人が歌うという「金八先生」で使われたという歌ね、あれ多分、「世情」じゃないかな。
    違ってたらすんません!

  4. 「世情」です、失礼いたしました。確認しました。http://jp.youtube.com/watch…
    でもほんとそうですよ、姉弟子さんも独居ですから。お互いがきっと「ひとりでかわいそうに」と思いやっているのでしょうね。
    せめて子供としては心配なく旅立ってほしいと願うのみですが、あの世へ行っても心配し続けるのが親なのだと、だから盆には安心してくださいと毎年供養してあげるのだと高校の仏教の授業で教わりました。

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