『朝日のようにさわやかに』『ノルゲ』

『朝日のようにさわやかに』 恩田陸
短編集。
ホラーだったり、そうじゃなかったり、ショートショートだったり、もちょっと長かったり。
どれも面白かったけど、表題作だけがちょっと意味不明だったかな。かなり流して読んだこっちも悪いのですが。
評価  4点
『ノルゲ』 佐伯一麦
正統派の私小説。一体いつ以来だと考えてしまうくらい、久々にこのジャンルの本を読みました。作家の名前を知っていたから、というのは大きかったですね。たしか東北地方のどこかで、不器用な小説を書いている人だ、ということを記憶していました。
美術を学ぶためにノルウェーに留学する妻について、一年間オスロで暮らすことになる男の、ただひたすらに日々の小さな出来事と自分の心の裡をつづっていく本です。
それを読ませるってのは、やっぱりただ事じゃない、んですよね。
10代の頃、教科書で私小説を学ぶと、こんなもので作家になれるのなら誰だって・・・、と思ったものですが、今はわかります。こんなもの、じゃない。やっぱりそれは、それだけの力があるから世に出るし残るのだって。
器用な作家なら掃いて捨てるほどいる中で、不器用な作家って貴重です。かつて高橋和巳がそうであったから、というわけだけじゃないですが。おそろしく個人的な意見ですがね。
評価  4.2点 

31.8℃!

日本全国、カマドのように燃え盛っております。
40℃を超えた場所もあるようで、32℃なんて序の口でしょうが、避暑地としては暑すぎました。冬場は10度以上の気温差があるのですから、夏もそのくらい差がないと、勘定が合わないのではないかと思うのですが・・・。
今日は午前中、用事で御代田へ行きましたが、ちょっと標高が下がるのでやはり暑かったです。町のホールでは、成人式の看板が出ていました。
とうもろこしを初収穫。
それから、畑にすももの実が落ちていたので拾って食べたら、
「売ってるものみたいな味だった!」
でした。
写真撮る前に食ってるし・・・・・・。
夕方、デッキから下に降りようと階段に足をかけると、ヘビがにょろーん、と逃げていきました。かなりびっくりしました。大きな青大将。この間、同じ場所に抜け殻が落ちていたので、そいつかな。デッキの下に住んでいるのかも。
今日で8月も折り返し。この暑さは土曜日まで続きそうとのことです。
ではまた。

新作

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やっと、ちょっと大きめにして縫えました。
この布の柄がえらく好みなので、自分用にも作るつもりです。
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イサーンの薄いかすりで作りました。
たて目に模様がくるようにしてもよかったかな・・・。
ちなみにこちらは売れてしまいました。
次に作る予定は・・・ワカリマセン(笑)
軽井沢は朝、目を覚ますと怖いくらいの青空です。
寝室の窓から、浅間の上空が見えるのですが(浅間は見えません)、これがもう、毎日ぞっとするくらいの深い青。
あー。
チベット行きたい・・・・・・(恒例の夏の発病)。
当分は無理ですが、無理となるとさらに行きたい・・・(ダメと言われたことを全てやるコドモ状態、え、今のコドモはそんなワルくない?)
上記は冗談です。忘れてください。私、腰が悪いんでした。
あまりの暑さに人の動きも緩慢になっているようで、今年はいつにもまして静かです。
そういえば、昨夜は追分宿の盆踊りだったみたいですね。夜まで音がしていました。
「御岳音頭?(木曽のな~、なかのりさん、っての)」とか「東京音頭」とか。この際「世田谷音頭」もいかがでしょうか?
ではまた

すももとか

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畑のすももの実が大きくなりました。
これは3年ほど前に植えた「彩の姫」というブランドもの(笑)。隣に受粉用のすももも植えましたが、今年は開花時期がずれました。意味ないじゃんと思っていたら、ブランド君の一部の枝に実が止まり、ここまで大きく育ちました。
CDがぶらさがっているのは、鳥が突きにきて何個かやられたからです。これを吊るしてからは、ちょっと警戒している模様。いつまで続くかな?
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実のアップ。
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ニンジンに立派な花が咲きました。
咲かせてはいけないのでしょうが、咲いてしまいました。もう収穫すべきなのかな?
それにしても暑いですね。
軽井沢トップシーズンに入っていますが、この暑さでは別荘から出たくないのではないでしょうか。旧道やプリンスは混んでいるのかなあ。どうなんでしょうか。
もう1つのブログTravelling daysで、1992年西北ネパールからチベットへの旅を整理し始めました。拙著では一枚もお見せできなかったカラー写真を掲載していますので、ご興味のある方はどうぞ。

お暑うございます

軽井沢も今日で連続3日、真夏日になりました。
今日の気温は30.1度。
いやー、あづいです~。
別荘エリアもだいぶ賑やかになってきました。軽井沢のトップシーズンに突入、といった感じです。明かりがたくさんあるっていうのも、悪くないですね。気のせいかイノシシも静かにしているような・・・。
そうそう、イイヤマ19号ですが、今日、立ち上げてからぶっ叩いてみようかと思い、電源を入れたら、一瞬ダメでしたけどカチっと音がして、元に戻りました。殴られたくなかったのか・・・。
即死したわけではなく、もしかすると、たまによくなったり悪くなったりしながら、だんだん限界に向かうのかな。生き物と一緒だね。
ではまたです。

うおぉぉぉぉぉ、健さん・・・!

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去年だったかメイキングルポをテレビで見て、そのうち観たいなあと思っていたこの映画、DVDを送ってくれるサービスに最近入会したのを機会に、借りてみました。
あの、チャン・イーモウ監督が、高倉健を使いたい一心で撮った作品と言われています。
チャン・イーモウと言えば、紅いコーリャンであり、菊豆であり、あの子をさがしてであり、初恋のきた道、であります。すごい監督なんであります。最近はCG?に凝って、今風のものを撮っているみたいですが、私はそういう映画は興味ないので・・・。いや、だからともかく、チャン・イーモウという人は、チェン・カイコーなんかに並ぶ、中国映画世界に革命をもたらした人でありまして、その初期の作品の衝撃といったらなかったのです。
で、この映画ですが・・・・・・。
パソコンで観たのが悪かったのでしょうか。画面も小さいし、周りに映像以外のものが見えているし、これじゃ何を観てもあかんな、とは思うのですが、それにしても・・・・・・。
いや、健さんはいいですよ。ええ、健さんはいつもの健さんです。もちろん年は隠せませんが。
風景はきれいです。麗江には正直がっかりというか、ああ、こうなったのか・・・という思いがありますが、それは旅人の感傷ってやつです。こんなすげー道路が通ってるのか、とも。携帯が通じてるよ、とも。ワゴン車がびゅーって走ってるよ、とか。
健さんが、独力で何かする話だと思っていたので、結局健さんは中国語もまったく話さず、全て通訳がうまくやってくれて、健さんはいつもチャーターしたワゴンで移動してて・・・。まあ一箇所だけトラジに乗ってましたがね。何と言うか、こう、これじゃパッケージツアーと同じ土俵だな、と思いましたです。
健さんが、孤軍奮闘しながらローカルのバスに乗ったりしたら、もっとよかったのにな。こんな発想、すること自体がヘンですか?
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桐野夏生作品。
親殺しの高校生を、たまたま知り合った同い年の女の子たちが、半ば面白がり、あるいは同情し、あるいは感情移入しながら逃亡させていく、そして最後には・・・・・・。という話。
面白かったです。
多分、子どもって、大人が思っているほどバカじゃない、ってことですね。
評価  4.5点
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小池真理子作品。
狂気にかられて庭造りに没頭する大金持ちのぼんと、何不自由ない暮らしをしている人妻の運命の恋。静かな筆致で淡々とつづられていきます。最初の十数ページを読んだところで本を閉じ、「長い間、”おんな渡辺淳一”と食わず嫌いしていて本当に申し訳ございませんでした」と謝罪いたしました。格調高い、気品ある文章でした。
評価  4.5点

うーん・・・

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暑い!
テツがうるさい!
と、ちょっとイライラしながら裁断していたら、すっかり間違えてしまい、また小さいのができてしまいました。もうがっかりです。
で、この写真は、その小さいのじゃなくて、ストールを2枚使って作ってみた羽織るもの。前もボタンとかつけずにそのまんまです。ストールが特別にゆるい織りのもので、加工がむずかしく・・・。
アシカさんアイデアのように、ウエストで後ろだけ絞れるようにすると、もう少しカッコがつくかもですね。
夕方、いつものようにサブのパソコンを立ち上げ、立ち上がるまで地図を見たりしてて、ふと顔を上げると、オーマイガーッ! 赤のフィルター挟んだみたいな不気味な画面。昨日までオマエ、普通だったじゃないか(オロオロ)・・・。しかも、ミツビシ17が死んで液晶モニターを買ってから、まだ半月と経ってないじゃないか。こんなことって、ありですか?
マニュアルを見ながら色をいじったりしましたが、そんなレベルの話ではなく、辛うじて文字も画像も見られますが、2分見たら頭おかしくなりそうな感じです。
イイヤマ19よ、お前もか。
今朝、ダンナにモニターについて聞かれ、「やっぱ液晶は目が疲れるね、CRTの方がいいよ」と言ったばかりなのに。
この夏は、CRTが死んでいく~夏なのですね、日本全国で(根拠はありません)。
今日はその前に、メインのパソコンのスピードが最近めっきり落ちてイライラするので、メモリを増設しようかと、ネットで購入したところでした。このうえモニターは無理です・・・。しょうがないので、何とかこの液晶をデュアルで使わないと。そのためには机の上を片付けてプリンターをどこかに移さないと!
うーん、疲れた・・・。
そうだ、叩いたりしたら直るかな。

暑い! と言いつつ27度だ!

みなさま、お暑うございます。
ここ軽井沢でも先日30度を越えましたが、今日あたりは晴れて暑いのに27度ほど。
それでも寒冷地の住民にとっては、十分暑いのですが!
毎年書いていますが、その分冬寒いので、許してくださいー!(笑)
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今日咲いたチャイナローズ。
可憐な赤ですわ。
ちょうど昨日まで、小池真理子さんの『狂王の庭』を読んでいたので、この言葉遣い・・・。
そうそう、今日は軽井沢でクマに襲われてケガをされた方がいます。
どうぞ皆さんお気をつけて!
(って、どう考えてもいちばん気をつけなきゃいけないのは私! 何たってわが家の裏にはもう浅間山しかないんだし)
今日は久しぶりに旅ブログのデザインをいじって、すっかり忘れていたCSSとか、そういうものをやってたら頭が痛くなってきましたよ・・・。ちょっと変わったのですが、でまあ、それなりに自分ならこんなもんで上等でしょ、と思うのですが、気になるものが気になる場所から動かない・・・。こいつを別の場所に動かすにはどうしたらいいんだ・・・・・・。
でもきっと、このまま「見ないふり」をしていきそうです。
明日も晴れる予報です。ではまた。

雷ゴロゴロ

午後早い時間に雷が鳴り出しました。
昨日も2時頃からずっと雷鳴が続きましたが、結局、追分では降らず。中軽井沢より東のエリアではかなり降ったそうです。ウチでは今日、水撒きをしました。
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雷が嫌いで、興奮して柵を飛び越えたウメ。
すぐに捕獲して、家に入れました。
でも、私が2階で仕事していると、怖がって鳴くのですよ・・・。
遠くで鳴ってるだけなんですけどね。
<ここから私信>
没関系さん、お帰りなさい!
いろいろ大変でしたね、旅も短くなっちゃいましたか?
旅のつづきがアップされるのを、楽しみにしています。まずはゆっくりしてください。
お大事に!
<私信オワリ>
ではまたです!

『ミノタウロス』佐藤亜紀・『センセイの鞄』川上弘美

『ミノタウロス』 佐藤亜紀
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この人が『バルタザールの遍歴』でファンタジー大賞をとったのは1991年のことだったらしい(いま確認)。
1991年かぁ・・・・・・。
おっと、遠い目になっている場合では。
この『バルタザールの遍歴』でノックアウトされ、その後『戦争の法』でずっこけ(あくまで「私」が)、久々に手に取りました。また戦争か、と思いつつも。
この人にしては長くないけれど、ひとつの文にいくつもの意味合いを込めてくる文体は相変わらず。この文体に拒否反応を示す人もきっと多いかと。下手なライターがマルとマルの間で主語と述語がこんがらかる文章を書いてしまうことはよくあるが、この人は天才的に文章がうまいので、もちろんこんがらかりはしない。
1900年代初頭のロシアを舞台に、人間存在の意味を根底から問う、すごい小説です。この時代に、こんなものを正面から書く作家がいるということに、ともかくも畏怖するしかありません。いったいこの人の頭の中はどうなっているのか・・・・・・、見てみたい。
評価 4.5点  点をつけるのもおこがまし・・・
『センセイの鞄』川上弘美
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殺伐といたしましたので、救いを求めるように手に取ったのは、一緒に借りた桐野夏生ではなく、やはりこちらでした。谷崎潤一郎章をとっている小説。純文学としては15万部以上とよく売れたんですね。かなり話題にもなりました。
平易な文章が心に沁みます・・・・・・。
それにしても、佐藤亜紀さん作品の対極にあるような小説というか文体ですね。
物語は、70歳くらいのセンセイと、37歳の元教え子の恋。
飄々として、惚けた味わいもいっぱいの秀作です。吹き出してしまう部分も多々。泣く部分はちょっと。
川上弘美という作家は、芥川賞をとった『蛇を踏む』と、ほかに短編をいくつか読んだだけなのですが、いいですね、また好きになりました。
評価 4.5点  佐藤亜紀先生を超えるわけには・・・(笑)
※人間存在について深く考えたあとはほんわかと。
でないと生きていけません(笑)