撤収!

ほぼまる2年借りた西湘の団地を退去した。
大物でどうしようか迷った冷蔵庫と洗濯機は、ジモティーでちょうど近くの団地に越してきたばかりという人に譲ることができてよかった。最初に出した時は業者が押し寄せてきて、値段交渉とか、めんどくさいな~と思っていたので、個人間取引ができてほっとした。
その他のものはすべてわが家の業務用バンに詰め込んだ。私にしてはかなりちゃんと掃除をして、引き渡しの査定。無事にクリーニング代0円回答が出て、敷金が満額戻ることに。よかった。顔見知りになっていた同じ階段の方にもご挨拶が出来、退去してきた。
淋しい気持ちももちろんあるけれど、タイミング的にはちょうど今年、でよかったのだと思う。引っ張ってしまったのはちと失敗だったかな(^^; 結局殆ど行けなかったので。

それでも2冬、ほぼ団地に住んで暖かさを満喫した。こちらで使う防寒着は暑すぎて使えず、感覚的には春や秋の服で冬を過ごすことが出来て楽しかった。普通の家の庭にもみかんがなっている土地。そんな場所に暮らすことはもうないかもしれない、楽しかった。
最後に撮った写真などはまたいずれ。(めんどくさがり)

伊集院静氏が亡くなった。少し前に胆管癌とニュースで見た時にこれは……、と思ったのだが本当にそれからあっという間だった。この癌は私の叔父の命を奪った。なかなか見つからないし、見つかった時には手遅れのことが多いとその頃知った。それからもう20年は経っているのでもしかしたら新しい治療法や抗がん剤などが出来ているのではとわずかに期待をしたが、難しかったようだ。
ダンディーなどという言葉が似合ってしまう最後の作家、のように思う。私にとっては「鬼脚の井上」を教えてくれた作家。もちろん夏目雅子の旦那さんだということは知っていたが、最初にこの人を読んだのは競輪関係のエッセイ集だったと思う。気に入って一時はよく読んだ、小説もいくつかは読んだ。文庫が何冊か書棚に残っている。
競輪仲間の女友達に電話をかけ、「明日は後ろからまくってぶっすり差しちゃおうね」的なことを上機嫌でまくしたて、相手が無反応なのではっと気づいたら母親だったというエピソードが記憶に残っている。電話といえば家の固定電話にかけていた時代の話だよもちろん。
淋しいな。
阿佐田哲也について書いた小説があるらしい、『いねむり先生』、読んでみたい。

 『獣の夜』 森絵都
短編集。最初の話がいちばんおもしろかった。
あ、あそこですね、はいはいあそこはね、日本人マネージャーいますよね、と、読んだ人にしかわかりません&あの界隈に詳しくないとか(^^;
☆3.5 普通におもしろい小説集

 『氏真、寂たり』 秋山香乃
戦国時代の話。今川家、と聞いても今川義元しか浮かばない歴史オンチの私にもまぁまぁ楽しく読めた。主人公はその義元の息子。戦国の世が終わることを望みながらも、御家存続のために戦いもする。幼少期に自分の家に人質として仮寓していたのが家康だったとか、そういう縁や幸運もたくさん持っていたのだが、とにかく裏切られまくる。家康にも手ひどく裏切られる。そして家は潰れる。なのにお殿様のこの人は生き延びる、というのが面白い。この時代はお家がなくなる時にはみんな死んでしまうのかと思っていた。さらにさらに、結局はこの人の「人のよさ」が周囲を動かし、この人の代ではないがお家は再興する! ミラクル!
☆4 こういう時代小説もおもしろいと思った

団地を撤収したら気が抜けてしまい、片付けと平行してぼんやりしている。
快晴で風が強く、どんどん寒くなる気配。ではまた