今日からまた通院。何事もなく照射を受けて帰る。病院に到着したのは予約の20分前、放射線科には誰もいなかった。看護師さんの問診を受けてちょっと待っていたら、いつも私の前に治療している人が出てきてすぐに呼ばれ、終わって出てきたら予約時間だった。こういう日もある♪
読んだ本
『羊飼いの暮らし』 ジェイムズ ・リーバンクス
イギリスの湖水地方と呼ばれるエリアで、先祖代々数百年に渡って牧畜を営む人々がいるそうだ。この本はそんな「羊飼い」によって書かれた家族史であり自分史であり、そして地域全体の歴史でもある。
最初は少し単調な感じがしたがすぐに「羊飼いの暮らし」そのものの面白さに引き込まれ、最後までおもしろく読んだ。
生まれた土地を離れず、生まれた家の生業を継ぐ暮らし。変化を求めないという意味では自分にはできないと思う一方、もしこういう家業に恵まれていたらどうだったんだろう? と考えたりした。
☆4.2 こういう本を久しぶりに読んだ、おもしろかった♡
この本はお見舞いにいただいたもの。ありがとうございました!
『あの日、マーラーが』 藤谷治
あの日、2011年3月11日夜、東京のど真ん中の音楽ホールで世界的な指揮者を迎え、交響楽団によるマーラーの演奏会が開催された、という実話に基づく小説だった。未曽有の大震災、東京の交通機関も全て止まっている。それなのに演奏会は開催され、1800席の完売されたチケットに対して105人が、会場にたどり着き演奏を聴いた、これも事実に即している。演奏者、聴衆、スタッフ、それぞれの立場の幾人かが体験した「あの日」がオムニバス形式で語られる。
☆4 とても面白かった、映画化したらどうかしらと思った
ら、既に映画化の話があるらしく、今年(?)製作委員会が出来て出資者を募っているような、そんな記事を見つけた。
小説としても十分面白かったが、あの日、日本中でテレビ画面を注視していた我々全員が背負ったもの、それは「誰かがそこで亡くなっていくのを見殺しにした」という意識なのではないか、という作家の問いかけにに、そうかそうだったそれだったんだ、と思わされた。もしかしたら誰もが、決して言語化しないようにしようと無意識のうちに思い決めていたことかもしれない。そんなことを思った。
『貝に続く場所にて』 石沢麻依
群像新人と芥川を同時受賞している小説。久しぶりに芥川賞を取った小説でも読んでみるかと借りてきたので、中身はまったく知らなかった。そうしたらこちらも東日本大震災が語られる小説で、2冊続けてそういうものを読んだ。
文体が非常に個性的というか。修辞や比喩が多く、気をつけて読まないと何言ってんのか全然わかんない、気をつけて読んでも「はて何のことやら」となる文も多く、難儀した。ただそこを除けば静かなよい小説だった。
☆3.5 ついていけない自分が悪いのか、とにかく難しい文体だったな
ではまた