ローソク・ナイツ

12日の午後3時前に停電となり、今日の午前10時過ぎまで2晩のノー電気ライフでした。
日が暮れれば真っ暗ですることもなく、7時過ぎにはそそくさと寝てしまう2日間でした。
普段自分がどれほど電気、テレビ、パソコンに依存しているか、あらためて知った2日間でもありました。

15年ほど前までは、旅をしていて僻地に泊まると電気がないこともごく当たり前にありました。ヒマラヤの山中などは最たるもので、日が暮れれば強制的に全員が寝る。夜が明けたら起きてさっさと歩き出す。
今はそんな山中にも電気が通っていたり、発電設備があったりして、照明は点く、テレビが見られる、何でも充電できる、WiFiも飛んでる、携帯つながる・・・。なんていうことになっていたりします。そしてみんなせっせとスマホでSNSにアップしては世界と「つなが」る。この15年、そして直近の10年5年の変化のスピードはおそろしいほどです。
とても便利で、昔に比べれば快適な山旅ではあるのですが、ちょっとつまらない気もする。どこまで行っても逃げられないみたいで、今の旅人はそのへんどうなんだろうと思ったり。私は逃げたかったクチなのでそう思うだけかもしれません。

探し出した電池で動くラジオで色々と周波数を合わせてはみたものの、結局NHK第一ラジオの安定感に勝るものはなく。でもずっと被害情報を淡々と聞いていると滅入ってくる。FM軽井沢も聴いてみましたが、役に立つ情報はなかったな。充電スポットくらいでしょうか。でも、充電スポットに行ける人は多分車で給電できるよね。wifiもあるなら話は別だけど。
12日は何とかつながっていた携帯も13日にはほぼ電波が消えてしまい、さらなるシャットダウン。普段ほとんど誰とも「つなが」ってはいない私ですが、さすがに少々ザワザワしました。
とはいえ今回は倒木も殆どなく、道路は支障なく通れるので、どこへだって行けるわけでこんなのは被災の内には入りませんもちろん。

そして今日、初めて映像で被害の様子を見たわけですが、驚いた。
そして、目から入る情報というものは・・・。あらためて。
百聞は一見に如かず、ちと意味は違いますが、ラジオで聞いていたことと同じ情報だけど、受ける衝撃は百倍なんてものではない。人間が、このようにして写真や映像を手に入れた、進化させ続けていることの意味について、なんだか考えてしまいました。
それはすごいことなんだけど。ありすぎるのもどうかなと。

ラグビーの勝利もさっき知りました。たまたま再放送していたので見ましたが、すごい試合でしたね。特に後半の最後30分はお互いに1点も取っていないというところが凄みがあった。こんな試合をしたら、1週間は休まないと次の試合なんか無理だとつくづく。

今日の午前中、まだ停電が続いていた時間帯にラジオで高橋源一郎が阿部公房の小説について語る、という番組をやっており、面白かったので聴きました。カフカ的な不条理をテーマにした小説で、私も昔読んだことがあるものでした。自分が読むことも面白いし、他者がどう読むかというのも面白いなとあらためて。こういう時でもなければラジオなんか聴かないから、偶然こんな機会があってよかった。

それにしても自然が持つ力はすごい。気候は確実に変わっている。そのうち軽井沢も避暑地ではなくなるかもしれません。
では

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)