『ジャスミン』 ほか

『ジャスミン』 辻原登
なんとも盛りだくさんな小説でした。舞台は上海と神戸。時代は今。ただし、背景として日中戦争から文革、改革開放までの中国があり、第二天安門事件も重要な要素になっており、さらには阪神淡路大震災まで絡んでくるという・・・。スパイ小説っぽくもあり、恋愛小説っぽくもある。アイデンティティ探しっぽい部分もある・・・。
最後まで読んだんだから面白かったのですが、正直、最後の数ページは「おいおい、これでどうやって終わらせるっていうんだ? もう紙数が尽きちまうぞ」とハラハラしました。
文体の好き嫌いがあるかもしれません。私は「引っかかる」文体だなあと思いながら読みました。ちなみに、この作家は芥川賞受賞暦あり。「村の名前」と言えば、ああそういえばそんな名前の受賞作があったね、と思い出されるかも。
評価  4点
『第三の時効』 横山秀夫
文句なしにおもしろい!
ほかに何もいりません。
評価  5点
『草笛の音次郎』 山本一力
姓は草笛、名は音次郎。おひけえなすって。
股旅物でござんす。滅法おもしろいでやんす。
かっこいい、ってこういうことだね。粋ってのも、こういうことだね。
タダのモンに群がったり、詰め放題で袋にニンジン突き刺したり、そういうの、やめようよ・・・。
日本人たるもの、池波正太郎と山本一力は必読ですね。
評価  4.8点

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