滅多に自宅から遠くに出かけない私のブログは、おそらく日本一、いや世界一、話題が自分の半径100m以内に限定された話ばかりだと思うのでありますが、
その意味で本日は実に珍しい、
滅多にない、
お出かけの記事でございます。(一部書き換えました)
ついに行ってきました。中島みゆきさんの「夜会」。
聴きはじめてから優に28年という歳月が流れ、その間、途中いささか離れていた時期があったにせよ、聴くべき時は中島みゆき、それ以外のアーティストなんか知らない状態だった私が、生まれて初めて、本物を見に行ったのです。どう考えても遅すぎると思うけれど、これが私のペースなのだろうと・・・・・・。
家を出たのは3時すこし前。
開演は8時、開場は7時15分です。
早めに行くとサイン色紙がもらえるかも、という情報はありましたが、それについては「もし幸運にもそういうことになったら」という感じで、「絶対欲しいから絶対早く行く」とは思っていなかったのです。都内が混んでいればアウトだし。
そうしたら都内も意外にすいすいで、特に意図せずに選んだ井の頭通りが大正解で表参道にすんなり出られ(あー、私の車にはナビはついておらず、東京生まれの私も都内では車に乗らなかったので道路は知らない)、グッチだなんだというブランドショップ通りを口あんぐりで走りぬけ、案外すんなり赤坂に、そして見事に迷わずにACTシアターまで到着。なんと6時9分。
まさかまだ、誰もいないだろうなー、会場の場所だけ確認してそのへんブラブラすっか、と行ってみると、なんと、既に30人くらい並んでいるではないですか。げっ、ということは、私も並ばないとまずい? せっかくだから並ぶか、ということで、並びました。寒くなくてよかったですが、やっぱり最後の方は腰が痛かった・・・w
開場前のACTシアター。閑散としているように見えますが、既に40人は並んでいる。
「今のうちにグッズを買え」と何度も放送されたのでパンフを買ったのですが、袋をくれなくてさ・・・。パンフだけだとくれないのかなと思っていたら、みんなパンフだけで袋もらってるじゃないですか。袋、ほしかったよ。受付のお姉さん、気をつけてね、せっかくだからきれいに持って帰りたいじゃない? だって、3000円なんだよ!w
さて、開場30分前に、列はドアの前に粛々と移動。時間よりわずかに早く開場となり、チケットもぎってもらって入るや否や、なぜかダッシュする前の人たち。わけわからずついていくと、そこがサイン色紙引換券配布列で、私は27番でした。
3000円以上のCDかDVDを買うとサインがもらえるというシステムで、さすがみゆきさん、2万のチケットの上に3000円のお布施をしないと、サインは下さらないのですよ(笑) 私はちょうど会場で新しいCDを買おうと思っていたので、サイン色紙、もらえました。
ほらほら、これがサイン色紙ですよ。かわいいサイズですね。
左下は、マグネットだそうです。冷蔵庫に貼ってね、ってこと?w
私の席は2階で、遠くて見えるかなぁと思い、古い古い双眼鏡を持っていきましたが、幸い会場がそれほど大きくなく、また、2階席は傾斜が深くて前の人の頭もほとんど気にならず、よく見えました。しかも、私は前から2列目だったのですが、最前列の私の前の人が来なくて、とんでもなくよく見えました。とんでもなくラッキーでした。日頃の行いのゆえでしょうか。
ストーリーは山椒大夫が元にあるけれど、山椒大夫だと思って見るとぜんぜんわかんないです。じゃあ知らなくていいかというと、一応知っていたほうがいいこともたくさんあります。要は知ったうえで、ぜんぜん違うものを見ると思えばいいでしょうか。
私はこの劇のテーマ、というか、はずせない要素は「後悔」だと思いました。もしかするとテーマは「救済」なのかもしれないです。ただ、全編通して感じたというか受け取ったのは、「後悔」の二文字だったんですよね。人は日々、望むと望まざるとにかかわらず、後悔を積み重ねて生きていく。笑って話せる後悔もあれば、決して人には語れない後悔もある。果たそうと思ってした約束も、果たせぬことのほうが多いかもしれない、それもまた悔いであり、罪であり。
劇の最後は、救いで終わります。
でも、罪を犯そうが何をしようが誰でも救われる、のではない。救われるために何が必要なのか。その答えは劇の中にあるとも言えるし、自分で考えなくちゃいけないこととも言える。
後悔をしない人生、これは多くの人が理想とするものなのではないかと思います。自分は後悔なぞしないと言い切ることができる人もいるでしょう。いつも自分が選んで進んできたのだから、後悔はない、というのもよく聞く言葉です。
でも、私はどんなに自分で選んだことでも、後悔はつきものだと思う。自分で選んだからこそ、後悔するのかもしれない。
後悔という言葉を自分の人生に於いて「ない」と言えるのは、もしかすると、もしかすると、傲慢と紙一重なのかもしれないなと、もう若くない私は思います。
前半はみゆきさんの歌も抑えた感じで、劇もよくわからない部分が多く、入り込めない感がありました。後半はテンポもいいし、最後に向けての疾走感がすごかった。特に最後の「ほうやれほ」から「十二天」、赦され河渡れ、天鏡(順番は違うかも)の怒涛のたたみかけは震えました。このへんはもう泣きっぱなしでした。周囲がクールに見ていたので我慢したのですけどね・・・。「十二天」の寝がなりもすごかったなぁ。あの態勢であの声が出せるって、どういうトレーニングをするとできるんだろうか。
あっという間の2時間ちょっと。
とにもかくにも、中島みゆきという人はすごい。もう人の領域から突き抜けているような気すらします。突き抜けているのに止まらないのだよ、この人は。かっこいいし、愛らしい。惚れ直しました。
終演後の会場前。中の写真がまったくないのは、カメラ預けなくちゃいけなくて・・・。いまどき、全員がカメラ付き携帯を持っていると思うのだけどね。ま、いいんですが、中で撮るようなものは特になかったし。
ところで今、買ってきた「DRAMA」を聴いているのですが、きのうの劇中で超気に入った「有機体は過去を喰らう」が入ってないじゃないか! なんでだー!
そ、そうか、DVDが出るのかな・・・? もう、ヤマハミュージックったら・・・w
帰り着くと深夜2時。高速がETCのおかげで安かったのがうれしい誤算でした。向こうの駐車場代が浮いたかな? そこまでじゃないか。
思いのほか楽しんだらしい夫はすぐに寝ましたが、私は「109番目の除夜の鐘~♪」と「こ・よ・み・は・い・か・が・~♪」がエンドレスリフレインになってしまい、寝られるわけもなく・・・w
ともかく。
生きててよかったと思えた夜でした。
来年は噂ではコンサートツアーがあるとか。絶対行く。
ではまた~。
これから「夜会」に行かれる方、どうぞ楽しんでくださいませ~。