苦心した・・・


スタンドネックのロングベストを作りました。
インドネシアのイカットを使って、黒い布と接ぎ合わせしたのですが、やっぱり接ぐのは大変ですわ・・・。
これはバックスタイルなんですけど、この部分で接ぎ2回。真ん中のイカットと、両脇の黒。


えらい寝ぼけた写真でスミマセン。補整かけたんだけどね・・・。
前は全オープン。それぞれ真ん中のイカットを両脇の黒で挟んでいます。
つまり前での接ぎは4回。
それぞれ布端はロックで始末したので、ロックの総延長も長かったですわ。
おまけにやっぱり裁断の時点で接ぎの部分を間違えて、せっかくロックしたのに裁断し直すハプニングも。まぁ自分のミスなんですけどね。


上から俯瞰していると思いねぇ。(写真タテヨコ変換するの忘れてもうめんどくさい)
接ぎを利用してシームポケットも付けまして。

とりあえず、完成してよかった。途中で投げそうになりました(寸法合わないとわかった時)。


気分転換に畑に行って、サツマイモを試し掘り。できてたよ! 降霜ギリギリまで待とうと思います。もう残された時間は僅かだがね。

『夜市』 恒川光太郎
第12回日本ホラー小説大賞受賞作。初めて読む人だと思う。これがデビュー作。
「夜市」、「風の古道」という中篇2作を収録。「夜市」は確かに、今まで読んだどんなホラーとも怪談ともミステリーとも異なる展開、だった。こういう風に進んでいってこう落とすだろう、という予測を裏切られる。別に予測しながら読んでいるわけではないけど、多くの場合、何となくそういう予感のようなものは持って小説って読みますよね。すっごく面白いとか、そういう小説ではないのだけど、小説とか言葉とかが好きなら読んで損はないです。
私は「風の古道」のほうがしっくりきました。この世ではない話なので、SFと言ってもいいのかな。淡々とした物語で、こちらもただただ粛々と読み進めるのだけど、この世の掟というのか、抗えない運命というか、そういうものがそこにひっそりと立ち上がっていて、その立ち上がっているものの前で頭を垂れるというかね。わかりにくい表現だけどそんな感じの小説でした。

これは成長の物語ではない。
何も終わりはしないし、変化も、克服もしない。
道は交差し、分岐し続ける。一つを選べば他の風景を見ることは叶わない。
私は永遠の迷子のごとく独り歩いている。
私だけではない。誰もが際限のない迷路のただなかにいるのだ。
(「風の古道」より抜粋)

前半2行は抜粋しなくてもよかったかな。この小説が、主人公が少年であり、また、迷路をさ迷っていく話だったので、入れておいたのですが。まぁ、うん、特にこの後半3行ですね。
活字中毒者の私ですが、読んでも読んでも、胸の裡にすとんと落ちる言葉って、そうそう落ちているものじゃありません。もちろん、私にとってのそれと、他者にとってのそれは、異なるものでもあるでしょうし。
この3行は、久しぶりにすとんと落ちた。今後この作家を読むか、あるいはこの作家が生き残るか、わからないけれど、私にとってこの作家は、この3行によって記憶されていく、と思います。
☆5つ まったく文句なし

ではまた