あいかわらず濫読の園にいる私です。
昨日から読んでいたのは、『夢は荒れ地を』船戸与一。カンボジアものです。
もしかすると私、船戸与一大先生の作品で最後まで読んだのは、これが初めてかもしれません(!)。なぜかいつも挫折する・・・。
実は私、カンボジアには未だ足を踏み入れておりません。東南アジアの国々の中で、特別に行くのが困難なわけではないのに。現にバンコクの外人租界であるカオサンロードからは、ぬるいパッカーを詰め込んだワゴンが連日何台もシェムリアップに向かって出発していきます。タイ国内のラオス国境に近いノーンカイよりも、シェムリアップのほうが直線距離ではバンコクに近い。それを知ったときはちょっとしたカルチャーショックでした。
今までまったく行こうと思ったことのないカンボジア。私は遺跡にはほとんど興味がないから、アンコールワットを見たいとか思わないんです(笑)。好きなのはバスで移動する雰囲気とか、車窓から眺める風景とか、途中途中の村で何か食べる食堂とか雑貨屋とか、町の市場とか。カンボジアという国では、これらを味わうのがいささか難しいんじゃないかな、と思うわけです。いや、それらはそこにあるかもしれない。だけどそれを自分が素直に感じ取れるかな、と考えると、ちょっと。あそこでは人が死にすぎました。それもごく最近。
読後、ほんのちょっとだけ「カンボジアにちょこっと行ってみてもいいかな」という考えが頭をよぎりましたが、バスで国境に行くとかって話は、もう自分にはないかな・・・。腰が治ればアリかもしれませんが。
本日の軽井沢はときどき雨または雪がぱらつく曇り空。雪はもうほとんどありません。では。
(追記)
本の評価を忘れてました。
10点中6点。
やっぱ殺すっきゃないですよね。船戸ワールドでは生き残っちゃいけないんですよね。