とけるとける

とけるとける。
雪がとける。
あったかくって、雪がとける。
とけるとける。
脳みそがとける。
何にもしないので、脳みそがとける。
バカなこと言ってないで、せめて読書記録でも。
『コンタクト・ゾーン』篠田節子
この作家の得意パターンのひとつ、邦人が海外で政変に巻き込まれるパニックもの。海洋東南アジアのどこか(マレーシアあたり)をモデルに、その政変は東ティモールのそれを思わせる。
うまいんだけど、物足りない。
なんて言えばいいのか。
この人はおそらく取材にも行ったのだろう。編集者が同行し、現地のコーディネイターが過不足なく必要なものは案内し説明しただろう。ただし、エアコンの効いた車の中からすべてを見てきた・・・・・・。そんな感じがする。してしまう。
それに、それを言ってはおしまいだが、ここまでのパニックが必要なんだろうか。
出てくる人間もあまりにもステレオタイプ。
終わり方も、ここまで引っ張っといてこれか? という印象だった。
評価は6点
『ワイルドソウル』垣根涼介
初めて読んだ作家。
ブラジルと日本を舞台に、過去と現在を行き来しながら繰り広げられる骨太の物語にぐいぐい引き込まれた。
日本政府によってブラジルに棄てられたたくさんの移民たちの地獄の日々が、リアリティーを持って胸に迫ってくる。これが戦後の話、私が生まれるのとそう変わらない時期に行われたなんて、信じられない。日本という国は、これほどまでに無策で愚かだったのか・・・。そしてそれは今も・・・。
限りなく重いテーマを根幹に持ちながら、魅力的な人間たちが駆け回り、後半は日本政府に復讐劇を仕掛けていくという痛快な展開に。
ほかの作品もぜひ読んでみたい。
評価は9点
実におもしろかった

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