鬼平の老い

金・土と二夜連続で鬼平ファイナルという番組をやっていたので見ました。
鬼平犯科帳は池波正太郎の代表作の一つで、色んな役者さんでテレビドラマ化もされていますよね。私が知っているのは、先代の吉右衛門、中村錦之助、そして当代の吉右衛門。特に今の吉右衛門がやっているシリーズは、かれこれ30年近くになるのではないかと思うけれども、再放送なんかも割と見ていました。
筆頭与力の佐嶋を最初やっていた役者さんは、その息子と小学校で同級だったせいで特に思い出深いけれども、早くに亡くなってしまったんですよね。彦十ももうこの世になく、そういう意味ではもう続けることに無理がある、今回ファイナルで本当に終わりになるのかどうかはわからないけど・・・、もう限界だったなと正直思いました。

鬼平の老いというのはすなわち吉右衛門の老いですが。同じように脇を固める人たちも全員が老い、中には見えなくなった顔もある。当の鬼平が、着流しで立っていてももう何の殺気もなく、ただふわっと居るだけに見えてしまう。陣羽織を羽織っても、今度は重くてやっぱりただ立っているだけで、もう殺陣も無理そうに見えました。
若い頃の颯爽とした鬼平を見てきた側としたら、ちょっと見るのが辛い。

時の流れを感じました。こっちだって同じだけ年を取ったわけですけれども。

と思っていたら、今夜からは剣客商売と藤枝梅安が2本セットで始まりました。どちらも池波正太郎の、看板シリーズ。私は剣客商売がいちばん好きで、これだけは新刊が出る度に欠かさず買い揃えました。ドラマ化もされましたが、小兵衛はともかくとして、大二郎と三冬の配役がなかなかしっくり来なかったです、2シリーズとも。
梅安は最も陰のある作品で、実はほとんど読んでない。

風邪が治らないので帰国後はずっと本を読んでました。今年のインフルエンザは高熱が出ないものもあるんだとか。私も熱は出たけどさほどの高熱ではなかったので高をくくってましたが、まさかね・・・。タイですからね、引いたのは。
兄貴に「わからんのだが、何であったかい国に行って風邪引くわけ?」とか真顔で(電話だけど)訊かれてちょっと困った。国としては暑いんだけど、飛行機、バス、列車といった場所をキンキンに冷やすのが彼の国の流儀というかマナーらしく、常に冷房はマックスにかかってます。知っているから完全防備したつもりが足りなかった。やはり帽子、マスク、それにプラスして、閉じたエアコンの吹き出し口を完全にふさぐテープが必要でした。感覚的には、シュラフカバーにでも全身すっぽり入ってたら何とかなったかもしれない、ってくらいのクレージーさです。

そんなんで。ではまた

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