氷点下8.4℃

今朝の軽井沢。ここ追分はもう少し下がっていただろうと思います。寒いですね、さほど積もってはいない雪だけど、場所によってはこのまま根雪になってしまいそうな。はぁ。

ツリーハウス  角田光代
調べたら2012年2月に読んでいて、「力作だが希薄な印象もある」とかなんとか書いてました。考えてみたらこの頃はウメが病気で、日付を見ると手術直前だったので、希薄だったのはこちとらだったのだと思います。
3世代の話ではあるけれど、圧巻はやはり初代夫婦。生き延びるために組織から、恩人から、国から、逃げ続けた2人の半生。働き続け、子をなし孫を得て、最後に伴侶を失ったばあさんが子と孫を連れ、満州の恩人を探しに行くエピソードが実に深い。
逃げてもよい、何もすることが見つからないのなら何もしなくていい、失敗してもいい、間違えてもいい、だけどそのことから目を逸らすな、人のせい社会のせいにするな、自分が逃げていることを知れ、そして黙せ。
☆4.5  あらためて、よい小説だと思いました この世は仮の宿り、なのだろう

今回の夜会は、「捨てる」がテーマですが。一つ目の大きなお話が人柱、人身御供の話。暴れ川を鎮めるために、選ばれた娘が橋桁に・・・・・・。もう一つの大きな話が、脱走兵。ゼロ戦(あ、書いちゃったw)と共に地下壕に逃げたってことは、出撃したけれども引き返してきてそのまま隠れたということかなと思う、捨てられそうになって逆に国を捨て返した話。
最初に見た時に、全体的なことはさておいて、そうか、死ねと言われたら死ななきゃいけなかった時代が、そんなに遠くなくこの国にもあったんだよなぁと思いました。徴兵もそうだし、人柱はそんなに例が多くはないと思うけど、武士の世界では「お腹召されよ」ですからね、逃れることはできない。
ツリーハウスの初代夫婦は、生き延びるために逃げた、そして恥じた。逃げなかった人はみな死んだから。恥じたから決して子や孫にその体験を語らなかった。だって仕方がなかったんだ、だって他にどうしようもなかったんだ、と、話すことをしなかった。こういう人たちが、実際にたくさんいたのだろうと思う。

まとまらないけどこのへんで。
明日も寒そう、夕方は雪になるかもです。ではまた