秋晴れつづく

朝、目が覚めたときに最初に思ったのは、「寒い・・・・・・」ってこと。
たいてい目覚めると、腰が痛いかどうか、足が痛いかどうか、しびれはどうか、などを考えて、大抵は暗澹とするのだけれど、今朝は単純に「う、さぶ・・・」。それもそのはず、本日の軽井沢、最低気温は8.5度だって。寒すぎるってば。
それでも晴れているのですぐに暖かくなり、犬の散歩をしたり、本を読んだり、縫い物をしたり、料理をしたり、の一日。
なんだこれ、どこの専業主婦の一日だよ(笑)
しかも哀しいかな、この専業主婦は、第三号国民年金被保険者ではないわけですよ。
稼がねばなりませぬ、自分で。
それにしても久しぶりの縫い物。
この春最後に作ったのが何だったのかもう忘れましたが、その後わたくしどん底に落ちておりまして、パソコンもだめ、ミシンもだめ、畑も庭もだめ、の、ダメダメ女になり果てておったのでありますが、ようやく何となく、何かを始めてもよさそうかなと思ってみたり。それでリハビリに、ミシンを動かしてみたりして。
パンツを縫ってみました。またそのうちに写真でも撮ろうかと思いますが、それを載せるのはこっちじゃなくてあっちかな・・・。
『海の仙人』 糸山秋子(ほんとは糸ふたつのイト) ☆4つ
仙人のように海辺の町で暮らす主人公のところに、ある日ファンタジーという名の神様が居候し始めて・・・、というファンタジー小説。芥川賞を取る前の作品です。これは芥川賞候補にはなったけど、受賞は逃した作品。
じわじわーっとしみるような味わいの小説。川上弘美さんに通じるものもありそうな。ところどころ泣けます。
ただ最後は、ちょっとやりすぎじゃないかと思いました。そこまでやると、マンガというか、ドロドロ昼メロというか、そういった印象を受けてしまいます。本当にそれが必要なのか、それなしでは成り立たないか、と考えてみると、読者の視線ではありますが、それがなくても成立する、ないほうがずっとすっきり成立する、と思えます。それともここに、作者がどうしても書きたかった一行があるのかな。
糸山さんの作品は『沖で待つ』をはじめいくつか読みましたが、けっこう好きな作風です。でもこの人は本当に、本が薄い(笑)。なんでだろう。寡作なの?
薄い本で文字数もギリギリだろって少なさで内容も実に淡々としたもので、それでも伝わるものがある。厚い本で文字数目一杯詰め込んでこれでもかこれでもかと書き込んでも、伝わらないこともある。いやはや、言葉というものは、そして小説というものは、なんというむずかしさでしょうか。
ではまた