今日、テツが逝きました。
午前9時半過ぎ。
10年と2ヶ月ほどの一生でした。
テツは1歳になってからわが家に来たので、共に暮らしたのは9年と少し。
柴犬のブリーダーのところで生まれ、小さな時は蝶よ花よと育てられ(オスだからちょっと変ですが)、しかし柴犬としては標準の体に育たなかったためよそへ預けられ、預けられた先では可愛がってくれる人と虐待する人の両方がいて、さらに時々はブリーダーのところに戻ってテツでも無理やりいけるコンテストに出されたりして、そういう1年を過ごした犬でした。
いつも人間の顔色を伺うところがあり、常に不安を感じて生きていたのではないかと思います。犬なんだけど。
その過剰なまでの「愛してオーラ」をうとましく思ったことも正直ありましたが、かわいいヤツでした。ハンサムだった。柴犬のかわいらしさが完璧に出ている顔でした(親バカ)。
テツを飼いはじめて半年後、同じく柴犬としては傷物のウメを引き取ったのですが、テツにはこの点では本当にかわいそうなことをしたと悔いています。自分だけを愛してほしかったのに、もう1頭がいつも邪魔をする。最初はチビだったウメがあっという間にテツを追い抜いて、体格でも体力でもテツを圧倒するようになり、嫌だっただろうなと思います。何事につけエネルギーが強いウメの陰で、テツは少しいじける犬になってしまったように思います。
この春、だんだん歩けなくなり、立ち上がれなくなり、最後は支えても立てなくなって寝たきりになりました。そこから2週間と少し。それでも食欲はあって食べたがりましたが、最後の3日ほどはお腹も悪くして、この状態が続いたら大変だなと思っていたのですが。
昨日からそれまで間遠だった呼吸が速くなり、人で言うところの「下顎呼吸」のように若干顔を動かしながら懸命に息をするようになりました。それでもまだ目は人の動きを追ったりしていたのですが、深夜になって様子を見ると、もう意識はないように見えました。お漏らしをしていたのでシーツを替えてやろうと抱き上げると、首がだらんと落ちて、あ、これはもう、すぐだな、朝まではたぶん持たないな、と思いました。
人一倍甘ったれで小心で泣き虫のテツですから、電気を消した暗い部屋でひとりで逝かせるのは忍びなく、小さな灯りをつけて添い寝をしてやりました。弱い呼吸を続けながらそれでもずいぶん長く持ちこたえ、夜が明け、そのうち夫が起きてきたので私がちょっと油断して眠ってしまったときに、逝ってしまいました。目を覚ましてはっとテツを見ると、もうお腹の動きが止まっていました。
結局ひとりで逝かせてしまいました。ごめんな、テツ。
今までテツを可愛がってくれた皆さん、ありがとう。
今夜はテツのお通夜なので、写真もテツ三昧です。昔の写真は小さくてよく見えないかも、です。
来たばかりの頃のテツ
これもまだ2歳になる前のテツ
夏の日、木陰で侵入者を警戒するテツ
居間に上がらせてもらってご満悦のテツ
珍しくお座りの写真
4年くらい前の、座椅子に上がってみるテツ
05年、骨ガムを食べているテツ
外から人間が帰ったとき、おやつがほしい時、手近にあるものをくわえて持ってきた
ハンサム~!
去年の秋のテツ
ふわ~ぁ。じゃあまたね!