予報どおり朝からみぞれが降り、すぐに雪になった。先日の雪が解けたところで地面が濡れており、降ってもすぐに消える状態だったが午後になってぼた雪が激しくなって積もり始めた。明日まで降る予報なのでそこそこ積もるかも。
気温も低く、今日の最高気温は3℃くらい。下界では最低気温もこれよりは高いのでは? さすが1000m。
昨日洗ってアイロンしておいた解き着物の生地で1点縫製。珍しくかわいらしい刺繍もの、ただし化繊だと思う。色が白に近いアイボリーで、その分経年劣化によるアクなどが若干あって、その点がすこし残念だった。よくよく見ないとわからないけど、ないことにはできないし(^^;
総刺繍で裏側にも糸がびっしりある。しかも金糸銀糸混ざりで肌触りが大変悪いので、裏地を付けなければならず、結局大がかりになってしまった。裏地の裾縫いにラッパを使おうとしてネジが見つからず、それ以前にどう使うのか完全に忘れていて別の部分にネジを嵌めようとしており、解明に10分くらいかかってしまった。で、裏地はスルスル系なのでうまくいかない部分が出てしまい、結局解いて縫い直すとか無駄なことをたくさんしてしまった。
何とかできた。
明日以降は単純な(というか作りやすい)ものを作りたい。このところちょっと変わったものをやりすぎてしまった。頭が痛い。
『人民に奉仕する』 閻 連科 谷川毅/訳
文革の頃が舞台の話。師団長の自宅の炊事雑用兵が師団長妻に「夜の奉仕」を命じられ、やがてそれが本当の愛に変わり……。変わった恋愛小説のような。この時代の軍人の生活ぶりや絶望的な農村生活なども描かれていて興味深く読んだ。
「為人民服務」と書かれた木札が重要な意味合いを持つ。小説の最後までこの木札が登場し直接には書かれないことを読者に伝える。中国の小説の、こういうところがとても好きだ。原語で読みこなせたら素晴らしいと思う。
☆4 これはこれで一つの純愛なのだろう
タイトルは中国語で「為人民服務」。毛沢東の有名な言葉で、『ベチューンを記念する』『愚公山を移す』と共に「老三編」として大々的に喧伝されたものだそうだ。
為人民服務、というスローガンは80年代後半から90年代にかけて最もよく出かけていた中国のどこにでも掲げてあり、当時一番よく目にしたスローガンではないかと思う。中でも列車駅や車内によく掲げてあった。しかし服務員たちは中国人でも外国人でも問わずに乗客を動物のように扱うので(稀にそうではない人もいたが)、いつも「人民の為に服務しろよ!」と毒づいていたのを思い出す。
「服務」が「奉仕」の意味だと(老三編の中でだけかもしれないが)今回初めて知った。ずっと普通に「服務」つまり「仕事する」意味だと思っていた。
80年代半ば以降、中国では毛沢東を批判する、少なくとも崇拝しない空気が流れ始め、実際に北京大学など各地で毛沢東像の撤去が行われたりした。その後天安門があって中国は急速に回顧主義となり毛沢東が復権し現在に至る、ように思う。最近はあまり中国にも行かないのだが、今はこういうスローガンはどう扱われているのだろう。今でもあちこちに「実現四化、統一祖国」とか書いてあるのかな。
中国といえば上海がロックダウンされているとのこと。少し前は深圳や東莞がそうだったがその後どうなったのかは知らない。当分中国には入ることがなさそうだ。行きたいという強い希望もないのでいいんだけど。
ではまた