まるで夏

晴れて気温も上がりまるで夏のような一日でした。
1週間ほど前からエゾニイハルゼミが鳴き始めました。初夏到来ですね。

午後、買い物に行って戻ってきたところにお客さん来訪。
何年も前に「中国農民服」という名前をつけているチャイナ風仕立てのジャケットを購入していただき、愛用してもらっています。3年前には衿の部分が弾けたので、補修もしました。さすがにへたってきたので別の色でまた・・・、とご注文いただきました。

この時の服は、肩縫いのない形。
今は肩縫いのある形で作ることが多いので、それでもいいかとお訊きしたところ、肩縫いはない方がいいとのこと。
久しぶりに、中国雲南省大理の仕立て屋さんに作ってもらった服からとった型紙を使うことになりそうです。

大理の仕立て屋さんは老夫婦でした。
足踏みのミシン1台で仕事をしていたと思います。ロックミシンはないので、すべて折り伏せ始末。丁寧な、それはそれは丁寧な仕事でした。
当時の中国ではミシンでも木綿糸を使っていたのか、去年、その時作ってもらった白のジャケットを藍で染めてみたところ、糸も染まったようです。経年変化でそうなのか、いややはり糸も木綿だから染まったのか・・・・・・。
あの仕立て屋さんはご夫婦ともにもうこの世の人ではないかもしれません。30年近く前の話ですから。その時20代前半だった私がもう50を越えたのですから。
でもあのご夫婦の仕事を常に教科書にして、折に触れては仕立て方を研究する私がここにいて。数着の服を介して、確かに私はあの人たちとつながっていると感じます。

何でもかんでも「つながる、つながっている」と表現するのは嫌いなのだけど、これに関しては確かに、まぎれもなく、そうなんだと。

明日から裁断を始めます。ちょうど縫っていたものが一段落して、次は何を・・・、と考えていたところだったのでグッドタイミングでした。ではまた