今朝の軽井沢、最低気温。もうじき2ケタ当たり前の日々が来る。寒いな。
根津甚八、亡くなる。もうずいぶん姿を見ていなかったけど、引退していたとは。
根津甚八で思い出すのは、大河ドラマの石川五エ門と、映画「さらば愛しき大地」だ。
映画は珍しく映画館に見に行った。高校生だったと思う。花の女子高生なのに部活しかしていない私を不憫に思ったのか、仲良く(ちょっと違うか)してくれていた先生が連れて行ってくれた。たしか青少年には刺激の強いシーンもあったはずで、そういうところでは「見ちゃダメ」とか言ってたなぁ、連れてきておいて見ちゃダメもないもんだけど。映画の内容はあまりよく覚えていないんだけど、とにかく荒くれて救いのない映画だったと思う。秋吉久美子も強烈に印象に残った。
かっこいい俳優だったけど、世の中うまくいかないものだな、と思う。
例の相米監督の「セーラー服と機関銃」を見に行ったのも、この先生と一緒だった。本を借りたり貸したり、感想を話し合ったりした。部活でうまくいかなくて、上手に自分がコントロールできなくて教室では荒れていたから、あいつはどうしようもないと思っていた教師も少なくなかったと思う。当時その学校でソフト部員というのは一種の腫れ物で、触らないほうがいい物件だったし。
「ダメな子に見えるけど、読書家なんですよ」と、その先生が私を国語科の先生たちがいる準備室というところに入れてくれるようになり、ほかの先生たちとも本の話をするようになり、何となくそこにいてもいいような・・・、そんな場所を作ってくれたと、あらためて思い出す。逃げる場所が必要な時に、見つけることができた自分の幸運を思う。というよりも、そういう場所を作ってくれる教師と出会うことができたこと、そういうひとがいてくれたこと、に心から感謝する。すべての逃げ場が必要な人にも、どうかいい隠れ場所が見つかりますように。
遠い唇 北村薫
軽い短編集、ほんのりミステリー。あまり読まない作家だけど、このぐらいだと読みやすい。
☆4.0 パトラッシュー!
ではまた