ピーのいたずら

マクドナルドで異物混入事故多数とか。
その中で最初に出てきた、ナゲットにビニール紐状のものが入っていたという画像を見て、

あ、ピーのいたずらだわ

と思いました。
ピーというのは、タイの精霊、おばけ、みたいなもので、土俗信仰というのか民間信仰というのか、今も広く信じられているもののこと。ピーを祀るほこらのようなものも各地に多数あります。

実はこのビニール紐破片、私もよく目にします。生地に織り込まれていることが多いんです。なぜかたいてい、青いビニール紐の破片なんですよね。いったいどの工程で入るのかさっぱりわかりませんが、本当にしょっちゅう織り込まれていて、タイの、特に農村で手織りされた生地は、よくよくチェックして異物をピンセットなどで取り除かないと、チクチクしたりします。
でも基本的にはそんなに気にしません。
こういうものが入っていたからもうその村からは買わないとか、そういうことはまったく考えません。次から注意してねとか言うことも別にしないし考えません。
「あー、またピーのいたずらが入ってる」と、ピンセットで引っ張って抜き取るだけです。

インドでは、枯れ草がよく織り込まれていますね。ほとんど木片だろ、というようなものもよく入ってます。
清潔で無菌状態の工場で作っているわけではないので、異物混入なんか気にしてたら、アジアで生地は買えません。もちろんそのへんを完璧に仕上げている場所もあるかもしれませんが。

マックの件は食べ物だから笑い話ですませるわけにはいかないけど、完璧を求めても、多数の人間が関わる以上限界はあるのだろうと思います。求めても求めても・・・・・・、得られるのかな。

年末に読んだ本3冊
『夏草のフーガ』  ほしおさなえ     『ゼツメツ少年』 重松清         『優しいおとな』  桐野夏生

意識したわけではないのに、どれも少年少女が主人公。夏草~は中学1年の女の子、ゼツメツ少年は小学5年と中学2年の男女、優しいおとなは小学生くらいの男の子が出てくる。どれもおもしろかった。
重松清は、滅多に読まない。以前は割と読んでいたのだけど、『ナイフ』(だったと思う)で脱落した。誤解されると困るのだけど、重松清は本当に上手い作家です。でも、辛い。正しすぎて優しすぎて辛くなるところがある。どこか灰谷健次郎と似た印象がある。必ず泣ける小説という意味では浅田次郎にも匹敵するだろうと思うのだけど、重松は正しすぎて、困ってしまうんだな。
そんなわけですごく久しぶりに読みましたが、ちょっと変わった構成の小説で。だまされながら読み進めて、最後の方まで行ったらやっぱり悲しい話だったけど、それでもわずかに救いがあったかな。

ほしおさん ☆3.8  静かだけれども丁寧に書かれたよい小説でした
重松さん ☆3.5  生きにくい世の中ですな
桐野さん ☆3.5  そう遠くない未来かもね

北の方は大荒れの天気が続いているようですね。軽井沢は今のところさしたる降雪もなく、少し風が強いかなという程度です。気温はめちゃくちゃ低いですが。明日もマイナス10℃の予報、当然のように真冬日予報。ではまた