読んだ順番に『ウルトラダラー』から。
著者はNHKの元ワシントン支局長。あの9.11の時には連日ニュースに登場していたので、ご存知の方も多いでしょう。最近はときどきワイドショーなんかにも出ています。
で、本作品。
小説なんでしょうか? それとも資料として読めと? それは無理だなぁ、だって事実じゃないんだし。
特にラストにはのけぞりました。途中からちゃんと読む気力に欠け、思いっきり飛ばし読みしといて何ですが。
個人的感想としては、偽ドルに集中すればよかったんじゃないですかね。
評価は10点中の2点(ごく辛口。部分部分では面白いところもあったんですが)。
『凍』は発表されたときからずっと気になってて、ようやく読むことができました。私にとって久々のサワコーです。ええと多分、15年くらいは読んでいないかも・・・。『深夜特急』も読んでないという体たらく。自分が旅を始めちゃってからは、なんか気恥ずかしくて手にとる気になれないまま。
それはともかく、この作品はクライマー山野井泰史さん夫妻の、ヒマラヤの高峰ギャチュンカン登頂記録を中心に据えた、ドキュメンタリーです。
山野井さんのことは知ってました(テレビで1度、雑誌で何度か見たことがあるってだけです)が、ここまでの人だとは・・・。しかも彼が手足の指を凍傷で失ったのはミニヤコンガだと思ってた・・・。それは松田さんですよね、「ミニヤコンガ、奇跡の生還」でした。
実はこないだエベレスト街道に行ったとき、山野井さんをお見かけしてたんです。声はかけられなかったですけど。プライベートで来てるみたいだったから悪いなぁと思って。ナムチェバザールの石段道を飛んで歩いていたので、すごいなぁーと思ってました。凍傷で足のかなりの部分を失ったのは知っていたので。
私が山野井さんを「かっこいい」と思うのは、もちろんクライマーとして世界のトップクラスだからでもあるけれど、それより何より、山へ自費で行く人だから、です。もちろんこれは、彼がアルパインスタイルのクライマーだからこそ可能なことなんですけどね。何であれ、身銭を切ってる人の言葉はホンモノだと信じているだよ、私。ほかの人たち(山屋にかぎらず)はスポンサー付けすぎちゃいます?
で、山野井さんもすごいんですが、奥さんが! すごすぎる!
読んでください、ぜひ。山が好きな人もそうでない人も。こんなふうに生きている人がこの世の中にいる、って知るだけでも十分読む価値ありです。
評価は10点中8点
地図が欲しかったですね。それと、最初に夫妻の遭難が伝わった経路が、ネパール側エベレストBCから下りてきた一トレッカーからの伝言、ってことになってるのですが、夫妻がいたのはチベット側で、チベット側のエベレストBCに第一報が届いたのはわかるんだけど、そこからどうやってネパール側のBCに連絡がいったんだろう? それができたならカトマンズにも連絡が取れたと思うのですが・・・? もしかして短距離しか飛ばない無線か何かが偶然通じたのかな? その意味でも地図が欲しかった。