布を巡る旅、転載しました

転載先はこちら

数年前に2年弱にわたり、日本経済新聞のアジア版・「NIKKEI GYARALLY」で、布を巡る旅のあれこれを連載させてもらいました。
当時は時々、入稿だの、写真がないだの、字余りだの、と、ブログで書くこともあり、なんじゃらほいだったかもしれません。

雑誌が廃刊になり、その後ときどき、あぁあれを転載したいなと考えてはいたのですが、諸々めんどくさそうでそれきりに。
ついに先日、当時の担当の方に連絡をして、ゴーサインが出たので、何とかアップしてみました。
途中インフルがあったので予定より1週間遅くなりました・・・・・・。

書いた中でいちばんおもしろかったのは、インドのヌアパトナかな・・・・・・。
何しろ何が面白かったって、最後の最後にそこにたどり着くまで、「それがどこであるのか」私自身知らなかったという。
ヌアパトナという地名は知っていたけど、ではそれがどこであるかは、わからなかったんですよね。
多分この川の向こうのこの辺り・・・・・・、で、実際にはその自分が思ってたよりもさらに先だった。
バスの中に英語がわかる人が1人だけ乗っていて、その人がその村で下りて、蚕業試験場みたいなところに連れて行ってくれました。

その試験場では所長が相手してくれた(というか所長しかいなかった)のですが、最初に訊かれたのが
「ガイドはどこにいる?」
「いやガイドはいないです」
「じゃ、運転手は?」 (このへんは、私が英語わからんちんなので通訳させようと思って訊いてたのだと)
「いや運転手はいないです」
「そんなはずないだろう、運転手だよ運転手、どこ?」
「いやだからいないんですって」
「そんなはずがない、だったらお前はどうやってここに来たんだ?」
「バスに乗って・・・・・・・・・・・・」
その瞬間の、あのインド人の、「こいつ頭おかしいんじゃね?????」という目が忘れられない・・・・・・(笑)

たしかに困難な道ではありましたね。また行くかと訊かれたら行きたくはない。苦しかった辛かった遠かった。

今はどんなことでもグーグル様に聞けば教えてくれるし、地図だって当時はヌアパトナじゃ出なかったけど今なら出るかもね、わからないけど。行先がどこであるかを知らずに行くなどというクレージーなことは、だんだんこの世から消えていく、あるいはもう消えてしまったことかもしれません。交通機関があるかないかを知らない、帰る手段があるかないかを知らない、泊まる場所があるかないかを知らない、そんな贅沢な旅を、この当時はまだ出来ていたんだなと思いました。

まぁそんなこんなの色々が書いてあったり、PDFなので鮮明さには欠けますが写真も載ってますので、よかったらどうぞ。
こちらから飛んでください。

インフルエンザはようやく快方に向かい、もう熱はすっかり下がり、だるさもましになってきました。あとは咳と腹痛が残っちゃったけど、まぁ時間の問題でしょう。皆さまもくれぐれもお気をつけて。ではまた