湯治ちょっとだけ

刀傷に効くと有名なとある山間の温泉に湯治に行ってきました。よく考えたら早すぎたかも!(^^; まぁいいか、一応入浴許可は出てるし。
冷たい温泉です。さすがに熱いのに浸かるのはちょっと自信がない。武田信玄の隠し湯、全国各地に伊達政宗の、とか、源頼朝の、とか、色々あるんだろうな。
温泉はまぁよかったんですが、宿が酷すぎる! 掃除が大嫌いな夫婦が経営している宿、とわかるように大書しておいてほしい・笑 未だかつて日本でこんなに掃除してない宿に泊ったことはない。まじでインドかと思った!

因みにインドは。今はわからないけど少し前までは「外に出て働く」のは男だけとほぼ決まっていたので、宿の清掃スタッフなんかも全員男性で、当然気は回らないし何もしませんの。だから汚いんだけど。安かった時代は許せた。今はクオリティ変わらずに値段5倍みたいな感じで、許せなくなってきたなぁ。
その泊った温泉宿もブロック割を当て込んで正直法外な値段だった。こういう経営者もまだまだいるんだなぁ、でも温泉郷そのものが静かに腐りかけている感じで、いずれ消えてしまうんだろうな、それもまた仕方がない、抗わないのなら溶けて消えて行くんだ。

帰路、夫のリクエストでアマプラミュージックの「演歌劇場」みたいなやつ。1番、北島三郎「与作」。2番、石川さゆり「津軽海峡冬景色」。3番、吉幾三「酒よ」みたいな感じ! 夏の陽射しに合わないことこの上ない。「天城越え」とかもう何なのこれ、ドロドロすぎるんですけど!
野辺山辺りまできて、同じくアマプラ無料版のみゆきさんに変更して、ほっとする私。夏の高原になんてぴったりなの、「わかれうた」とか(笑)。
そこは冗談だけど、しばらくまたみゆきさん聴いてなくて、久しぶりに聴いたら沁みました。「ヘッドライト・テールライト」なんてほんと大好きだなと改めて。

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病気になって店もいま休んでいたりしていますが、多くの方(直接知っている人とお会いしたことはないもののメール等のやり取りはしている方)からご心配、お気遣い、激励をいただきまして、あらためて感謝申し上げます。

色んな人からメールなどで「頑張れ」「頑張ってください」と激励されて、その時思ったのが、「私はそう言われてちっとも嫌じゃないな」ということでした。

何年か前になりますが、これまたその十年以上前に病を得て入院していた友人を見舞った時に、私が「がんばって」と言ったらしく、そのことを長い間記憶に留めていたと言われたことがありました。私には記憶がなく……。帰り際にでも「じゃぁね、頑張ってね」とでも言ったのかな。何にしても闘病を頑張れということではなく、入院していることそのものが大変だからがんばって、と言ったのだと思う。
でも言われた方は嫌だったわけで。
申し訳ないと謝りましたが、それ以前から私の社会不適応ぶり(そんな酷いかなぁと思うんだけど(^^;)を度々指摘する相手だったこともあり、その「頑張れ問題」も私の人としてのダメさの一例として出されたこともあり、反省し謝った後で縁を切りました。
もちろん、人としてダメな部分がたくさんあるのはわかっているけれども、よい部分だってあるだろうと。それはあなたもそうなんじゃないかと。あなたにも素晴らしい部分と私が思う人としてダメな部分と両方あるじゃないかと。あなたは100で私はゼロなのか? あなたは人としてダメであるが故に見下している私を教え導く、そういう関係性で私と付き合ってる? と、何かそういうものが私の中にも降り積もっており。そうなりました。
その一件があって以来、誰かを軽々に見舞ってはいけないし、もし行ったとしても口チャックだな、でもだとしたら何のために行くのよ、つまるところ見舞いには行ったらだめということか。と、何となく思っていました。そういう機会はコロナ禍もあってなかったんだけど。

で、最初に戻る。
私はちっとも嫌だと思わないなぁ、頑張れと言われれば腹筋1000回やっちゃう体育会脳だからなんだろうか?(笑)
それは冗談ですが。そうではなくて、「頑張れ」と言う相手の真意を、私は捻じ曲げて解釈しないから、なんじゃないかと思います。100%の善意、あるいは善なる心から、その言葉が出てきていると私が感じ取っているから、なんだと。感謝こそすれ、他に何か思うことがあるだろうか。私はありません。
それに実際、頑張るわけで。普段とは違うことをしたりされたり、病気にならなければ切らないところをズバズバ切られるし、傷跡も残るし異形の者にもなる、放射線とやらも浴びるし、場合によっては抗がん剤も。それが「頑張る」じゃなくて何なんだろう。
と、私は思います。
もちろんそうではない人がいることもよくわかる。健常な人に「頑張れ」なんて言われたくない、と思うこともあるだろうし、これ以上何を頑張れと言うんだと思うこともあるのだろう。たいして付き合いのない相手に「大丈夫だよー、悪いもの切れば治るんでしょ、頑張ってね」なんてノーテンキに言われたらカチンとくるだろうと思う。病気の深刻さにも大きく関わる、発病直後の池江璃花子選手に「頑張れ」と言うバカはいない。

病気に負けずに元気になってほしいと願った私の真意が伝わらなかったのはなぜなんだろう??? 何か余計なことを言ったのかな。言葉って本当に難しいなと、つくづく。いや言葉なのかな、不明だし知りたいとも思わないけれど。
何にしても私自身は、誰かにお見舞いの言葉をかける時には、とても気をつけて言葉を選ぼうと思うようになりました。気をつけすぎて余計なことを言うのがまた私なんだけど……(^^;
でも。そうだとしてもそこまで含めて、というのは少々相手に失言があったとしても、それでも言葉なんかじゃない相手の気持ちを汲める、受け止められる人になりたい、とも思います。

いつも思うんだけど。
言葉なんか、でもあるし、でも言葉しかない、でもある。そのどちらをも、わかる人間になりたい。

癌にもいろいろあるけれど、乳がんは手術がスタートだとよく聞きます。再発や転移がとても多い癌らしく、通常は5年で終わる再発チェックも乳がんは10年らしい。放射線や抗がん剤やホルモン治療などを何年にも十数年にもわたってやっていく患者さんも多いです。
私はまだ今後の方針が決まっていないけど、たぶん最初にやるのは放射線。5週間はけっこう長いし、凶悪な光線に焼かれるので痛そう。痛い痒いしんどいとここに書くと思います。
「案外ヘタレだな、頑張れ」と思ってくださって大丈夫。頑張れと思われて私はまったく傷つきません。むしろ「よし、頑張ろう」と思う。

以上、励まされるのが好きな女の「病人への頑張れ問題」に関する愚考でした。

そうそう、暑さと共にコロナが急速に、激しく、広がっています。軽井沢でもつい何日か前に90人を越える数が出ていました。人口比では驚くような数かも。どうぞお気をつけて。
ではまた