一段落

また泊りで東京に行ってきた。
ほぼ私の役目は終了した。一段落ということにしてよいかと思う。
いろいろと、複雑だった。気持ち的にも。
でもまぁ、やるこたやった、あとは野となれ~、だ。この後は本当に、「なるようになっていく」のを見守ればよいかと思っている。

歯医者さんで、38年連れ添った(!)差し歯と別れ、3本分の仮の歯になった。麻酔を打つのが痛いくらいで、後は痛くはないのだが、とにかくすごい音と振動でくたびれてしまった。脳が大丈夫かと思った(^^;
その後いったん現場に戻って、お弟子さんたちにも会ったりして、この日の作業終了を見届けて帰宅の途に。歯医者で疲れたのでやっぱり二重橋前経由で。お泊りセット(寝袋など)も持ち帰るのに人生で初に近くコロコロする鞄(もらった)で長い行幸通り地下を歩いた。便利なのかどうなのかやはりよくわからないなぁ。

 1978年、冬   原題は「西幹道」 映画
泊まるところにはテレビがないので暇を持て余しては片付けてしまうので、今回はタブレットを持って行って映画を見た。中国映画。劇場公開2008年だそう。なんと日中合作らしい。
西幹道という国営工場が並ぶ寂れた町に暮らす一家、特にその長男と次男が主人公。ストーリーはあると言えばあるが、ロングショットで延々と風景や人々が映るのを傍観するような映画だった。文革が終わった頃の中国の、行き場のない苦しさややるせなさが伝わった。そして人が人であるということ、どうしようもなくガサツなのにやさしくあたたかい。あと、ほんと風景が「寂寥」の一言で。
☆3.5 こういう撮り方、中国映画のお家芸なのかな?

初めて中国に行ったのが1988年、この映画の舞台の10年後。それでも、この中国を自分は見た、という気がする。今の中国とはもはや別の国、なのか、それとも今でも僻遠の地に行けばまだ割とこの空気が残っているのか、わからないけど。
中国に関心がない人には多分まったく面白くもなんともないので勧めない(^^;
アマプラにあります。

 『タイム・アフター・タイム』 吉田修一
作家デビュー30周年を記念して書かれたものだそう。なかなかの厚さです。20年の時を経て再会したかつての恋人たちが主人公、物語は現在と過去を行きつ戻りつしながら進んでゆく。ずっと先のことなど考えずにいられた10代の二人、大人になって家庭や子や仕事を持った今の二人、周囲の人々、懐かしく切なくあたたかい、たいへんよい小説であった。心が洗われるような、吉田修一ならではの世界だった。
☆4.5 純情光線に撃ち抜かれてズタボロに……

いい人しか出て来なくて物足りない、的な気持ちもゼロではないんだけれど、それでもいいじゃないかこれでいいじゃないかと思わせる、それがこの作家だしこの人の筆力だと思う。『横道世之介』なんかもそうだと思う。今年のベスト1に一応挙げておく。

洋楽の記憶はほとんどカトマンズに結びつくのだが、これもそう。久しぶりに聴いてみた。懐かしい。未舗装のタメルの街角をビーサンで歩いていた自分を思い出す。今行けばずいぶん変わっているのだろうが、もしかすると記憶って上書きはされないんじゃないかと思ったりもする。あの風景はずっとそのまま残るような気がする。
ネパールはこれからよい季節を迎える。あの天災の後も各地で洪水や雪崩による被害が出ているが、それもだんだん落ち着くだろう。いつも通りのエリアもたくさんある。観光しかないような国なので、今年も多くのトレッカーや旅行者が訪れるとよいなと思う。

昨日の東京、今日のこちら、と久々に晴れて青空を見た。気がつけば10月、絶句。
ではまた