朝、世界が白くなっていた。夜の間に降ったらしい雪がうっすらと積もっていた。
今日は暦の上で「大雪」だそうな。
ここは一日中小雪が舞う寒い一日で、最高気温も2℃。いよいよ真冬に入ったな~。
『絲的ココロエ』 絲山秋子
小説ではなく、エッセイともちと違うような。双極性障害を患う作家による病気との付き合い方、のような、題名通り「心得手帖」と言えそうな文章。
双極性障害について殆ど知らなかったので、「躁状態の時は元気なわけではなく本人はとても苦しい」こと、「躁の時には小説は書けない」ことなどを知る。また、私は躁の後に来る鬱の時に自殺、が多いのかと思っていたが、氏によれば躁の時が危ない、決断して実行し完遂してしまうことが多いのだとか。
双極性障害という病を持つ人だけではなく、生きることへの心得とも読める。勉強になった。因みに既に服薬ゼロになっているそうだ。
絲山氏がバリバリ働く営業職の会社員だったことは周知のことだが、この病を得て入院した時に初めて文章を書いてみた、ということは知らなかったか忘れたかのどちらかだった。そうだったのか……。仕事人間だった氏が転勤先で人間関係に苦しんで発症したと。つまりもし彼女が順調にサラリーウーマン人生を進んで行ったとしたら、絲山秋子という作家は生まれなかったかもしれない。災い転じて福となす、と他人が言うべきことではないが。どちらがよかったかなんて、きっとわからないことだとも思うが、でも氏の小説がこの世に生まれたことは喜んでいいよね。
世田谷生まれ、東京オリンピック直後あたりの生まれ、ということの他にもう一つ、絲山氏と自分に共通していることを見つけた。それについてはいつかまた、機会があったら書いてみたいと思う。
(因みに私は精神科の門をくぐったことはない・つまり共通項=病ではない)(だから私が正常だと言うつもりもない・念のため)
夜、アマプラのドラマを見ていたら外で防犯灯が点き、見るとキツネが来ていた。ライトに照らされてこっちを見ていて目が合った。最近ちっとも来ないコゲさんに出している猫えさを多分すこし食べたと思う。しばらくして外を見ると畑にいたので声をかけたら近寄ってきてデッキに上がってきた。まるでそのまま家の中に入ってきそうな……。
こんなに人に慣れている野生動物は珍しい、興味深い。
明日も寒そうな予報。ではまた