十二月

いつの間にか師走に入る。今年も残りわずか。

軽井沢を離れて海の見える町に来ている。海はそんなに好きではないけれど、遠くから見る海は好きかもしれない。水平線が丘や建物で切れ切れではあるが見える。地球は丸いと知っているから何となくカーブしているように思うが、そんな知識がなければ、あの向こうは崖で滝のように水が落ち込んでいくのだと思うのが自然かも。ただまあ、そんな風に水が落ちて行くのなら、どこから補充されるのか問題は発生するな。

暖地への移住は長年のあこがれだった。
団地に冬季仮住まい、という選択になった。

暖地、と検索したくて「だんち」と入力すると「団地」と変換されてしまい、「違うよ!」とやり直したりしていたのだが、ほんとに「団地」に住むことになって面白いなと思っている。

まだほんとに仮住まいで、今日やっと冷蔵庫が届いた。照明もないので(買えよ!)早寝早起きしている。テレビを置かずに過ごしてみるのも悪くないかと思ったり。しばらくは軽井沢と行ったり来たり。時々は向こうでご予約のお客さんの対応などある予定だ。店は半分くらいを母屋に持って来ている。開店の時は母屋での対応にするか、店での対応にするか、その時々で考えていこうと思っている。

中国雲南省昆明からラオスの首都ビエンチャンまでの鉄路が開通した。今のところ国境を越えることはできなさそう、コロナの関係だろう。ビエンチャンから国境まで3時間ちょいらしい。2等で3500円くらいと記事で読んだ。
ラオスは10年以上前から中国の属国のように感じていたが、これでまた一気に加速するだろう。何だか複雑だ。私はこの鉄道に乗ることがあるだろうか。少なくとも今、乗りたいとは微塵も思わない。ラサへ向かう鉄道も開通してずいぶん経ったが、それだけの時間を経ても、乗りたいという気持ちにはまったくならない。

 『モンローが死んだ日』 小池真理子

読んだような気がしていたが未読だった(と思う)。舞台はまたまた軽井沢近辺。大人の恋の物語。
☆ 4 ハッピーエンドでよかった

 『空にみずうみ』 佐伯一麦

仙台かと思われる東北の町で静かに暮らす作家と妻の話。周囲に暮らす人々との交流や、夫婦の暮らしが丁寧に丁寧に描かれる。途中から少し前に読んだパートを執筆中の場面にもなり、ちょっと面白い。時間軸がずれるというか。震災の具体的な記述は一切ないのに、そこここにあの日が浮かび上がる。皆が震災後の日々を生きている。静かで心に残る小説だった。
☆4.5 私小説のよさをしみじみ味わう

佐伯一麦を読むのは久し振り。『ノルゲ』以来かも。こういう淡々としたものを読めるようになった。うれしい。ホルモン様様。

ではまた

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